これじゃない。私はあの人とおんなじ匂いがいいのに。
はっきり言って、最初は好きじゃなかった。司さん、匂い強すぎ。歩いた道すじが分かるくらい匂いが残る。鼻がいい私には辛かった。 人の香水がきらいだ。頭が痛くなるし、なんでみんな平気なの?ってずっと思ってたし、今も思ってる。香水の強い人が複数いたりしたら、もうサイアク。気分がわるすぎて倒れそうになる。
だけど、いつからだろう、あの匂いを嗅ぐと安心するようになった。ユキさん来たんだー!って。そう、この頃にはもう、司さんじゃなくてユキさんって呼ぶようになってたな。
何の匂いかって、聞かれると難しい。甘い匂い?違う。さわやかな匂い?違う。ユキさんの匂い、としか形容できない、あの匂い。香水はつけてないよーって、柔軟剤じゃないかな?って言うけど、そんなことある?こんなに強い匂いなんですけど。
それでもあの匂いが好きすぎて、もしかしたら、と思って速攻でポチった。ユキさんはIROKAを使っているらしい。IROKAの、ホワイトリリー。ワクワクしながら洗濯してみたけど、これじゃない。似てるようで違う。けど、嗅いでるうちに毎回分かんなくなっちゃうの。この匂いだったような気もする…?って。
で、ユキさんに会って、あ、ユキさんの匂い!ってなって、やっぱりIROKAとは違う匂いだなーって。もうすぐ会えなくなるのに、この匂いの正体が分からないと私はしんでしまう。せめておんなじ匂いにたどり着けないと、生きていけない気がする。
最近、柔軟剤の他にアロマビーズを入れていることも教えてくれた。レノアオードリュクスの、白いやつ。これか〜!って叫びそうになった。ベルガモットの香りがどんなのかは知らなかったけど、直感で、きっとユキさんはベルガモットの匂いだって思った。 さすがにおんなじ匂いがしたらユキさんにバレちゃうから、ユキさんと会えなくなった後で使い始めようと決めた。
別れ際のユキさんは冷たかった。別に一生会えなくなるわけじゃないんだし、って。そういう人なのは分かってたよ、分かってたし、そんなところも好きになったんだよ。だけどさ、寂しいじゃん。最後くらい、ハグしてくれてもいいじゃんって思った。二度と会いに行ってやらないんだから、もう。
泣きながらレノアのアロマビーズを買いに行った。お気に入りの服とパジャマと、バスタオルを数枚洗う。パラパラとビーズを振りかけたあと、どうかお願い、と思いながら洗濯機の蓋を閉めた。
これじゃない。ユキさんの匂いとは全然違った。もしかして乾いたら香りも変化するかも、と思ったけど、全然変わらなかった。もしかしたら変わったのかもしれないけど、ユキさんの匂いじゃないなら、どんな匂いだっておなじことだ。
私はあの人とおんなじ匂いがいいのに。そしたら何とか、毎日頑張っていける気がするのに。
もう涙も出なかった。私は抜け殻だった。それでも生きていかなきゃいけなかった。もう無理〜って叫んでも、受け止めてくれるユキさんはいないから。いや、違うな、ユキさんは人の感情を決して受け止めないし、まして受け入れなかった。ただ横にいて、私が落ち着いた頃に、ニヤッと笑ってアイスクリームを渡してくれる人だった。ユキさんと食べるアイスはおいしかった。
冷凍庫には一つだけアイスが残っていた。気付かなかった、ユキさんが置いていったやつだ。ユキさんお気に入りの白い板チョコアイス。こだわりが強くて、ノーマル版を買って帰った日には明らかに不機嫌そうだった。それでも、罪の味がする〜なんて言いながら、おいしそうにニコニコ食べてくれた。私にもあんな風に笑いかけてくれたら良かったのに、と思ってまた泣きそうになる。
とりあえずアイスを食べようと思ったけど、アイスを食べるには体が冷えすぎていることに気がついた。3日間お風呂に入っていなかった。メイクもしてなかったし。汗をかくようなこともしていなかったし。言い訳しても、そもそも言い訳を聞いてくれる人もいないのだった。言い訳をしても一人。
お風呂を沸かす。今日はゆったりと浸かろう、と心に決めて浴室に入ると、見覚えのないシャンプーセットが置いてあった。"重たいから置いてく。使ってください"ユキさんの字だった。置いていく、というには真新しいシャンプーセット。プッシュするとスカスカする。やっぱり新品だ。
カコンカコン、という空プッシュの音が何度も響いた後、シャンプー液が出てきた。ツンと香る。嗅いだことのない匂いだ。さてはユキさん、また衝動買いしたな。可愛らしいパッケージ、そうだ、ユキさんはクールな見た目によらず可愛いものが大好きだった。確かにこのパケ、好きそう。 ふふ、と笑う余裕が出てきた。+tmrっていう名前のシャンプーらしい、なんて読むのか後で調べようっと。
念入りに髪を洗う。リンスの後にコームで梳く。丁寧に乾かす。こうして自分のことに時間を使うのは久しぶりだった。四六時中ユキさんのことを考えていたから。
よっこらしょ、と一人食卓に座り、板チョコアイスを開ける。冷凍庫から出したばかりのアイスはまだちょっと固くて、一口分をパキッとするには力がいった。その拍子に、耳にかけていた私の髪がはらりと揺れる。ショートカットのユキさんに憧れて短くしてから、耳にかかりにくくなって不便だ。
ふと、ユキさんの匂いがした。
「ユキさん!?」
慌てて振り返ったが、ユキさんはいない。そもそもドアの音はしていなかった。でも確かにユキさんの匂いがする。
くんくん、と鼻をきかせる。近い。近くから香っている。
歩き回っても匂いとの距離が変わった感じがしない。もしや、と思って髪の束を鼻に近づけてみる。
「ユキさんの、匂いだ……」
わけも分からず涙が溢れて止まらなかった。ユキさん。ユキさん。
たぶん私は、あのままユキさんといたらダメになっていた。これできっと、良かったのだった。
もう二度と、会いにはいかない。いや、30年後くらいなら大丈夫かな。お互いおばあちゃんになって、丸くなって。あのときはお互いトガッてたねなんて、笑い合うのだ。
私は私の人生を歩まなきゃいけない。このシャンプーを使い切るまでには、自分自身の道を切り開かなきゃ。次のシャンプーは、自分で決めた別のを買う。
だけど、今は。今だけは、頼らせてね。髪をくんくんしながらわぁわぁ泣く私は、きっと端から見たら変人で、それでいいのだった。私はどうしようもない変人で、それでも歩んでいかなきゃならない、このズレた自分を乗りこなしながら。
暗がりで一つだけついた食卓上のペンダントライトが、すすり泣く私の横でオレンジ色に光り続けていた。
「鍵なんてこの世から無くなればいいんだ。鍵こそがこの世の諸悪の根源だよ」 真顔で言うので冗談に聞こえない。 「これまた極端な物言いをするね。鍵に親でも殺されたのかい?」 「そうだよ、僕の両親はどちらも鍵に殺されたんだ」 「え……」
「母は間接的に、だけどね。火事だったんだけど、鍵が壊れていて開かなかったみたいなんだ。そのうちに一酸化炭素中毒で意識を失ったみたいで、苦しんだ跡は無かったのが救いだね。父は強盗に撲殺されたんだけど、犯人が使った凶器が鍵だった。僕はこの世から鍵が無くなればいいと思ってるよ」
飄々としたやつだと思っていたが、かなりヘビーな過去を持っているようだった。彼は独身だし、きょうだいはいないと言っていたので、この年ですでに天涯孤独なのか。嫌なことを思い出させてしまっただろう。自分の軽率な物言いを恥じた。 「それはまた……無神経なことを言った、すまない」
「なんてね。両親ともに健在だよ。憎まれっ子世にはばかるってやつかな。憎まれっ"子"なんていう年齢じゃないけど……」
……心が忙しい。尚も飄々とうそぶく彼に腹を立てる。 「お前、人が本気で心を痛めたというのに」
「わるいわるい。だけどさ、考えてもごらんよ。人の過去なんて星の数だけあって、皆が他人には見えない荷物とトリガーを持ちながら生きているんだ。どんな言葉が相手のかさぶたを剥がすか分からない。いや、もしかしたら血だらけの傷に塩をかけるのと同じかも。だから人にかける言葉には、慎重にならなくちゃいけない」
「確かに俺の物言いは軽率だった。仮にお前の親が生きているとしても避けるべき言い回しだった、すまない。だけど、相手が何を背負っているのかって、本当に見えないものだな。慎重になるったって、限界があるよ。例えば……そうだな、レモンとか、口紅とか、そういうものがトリガーになるかもしれない。見えないトリガーを避けるなんて、難しすぎる」
口紅、というところで微かに彼の顔が歪んだ気がした。そういえばなぜ俺は口紅なんてチョイスをしたのか。ああ、今日通ったデパートのショーウィンドウに飾ってあったんだ、などと思いを巡らせている間に、彼はいつもの飄々とした様子に戻った。
「だからさ。僕は人と話をするのがこわいよ。いつ何時、相手を傷付けるか分からないから」
「そこはもう、ある程度割り切るしかないだろ。相手には相手の荷物があるように、自分にも自分の荷物がそれなりにあるんだから、傷つけ傷つけられくらいで納得しておかないと」
ハッとした顔を見せる。何やらゴニョゴニョと呟いている。 「そうか……人を……るとはまったく……なことだ」
「何を一人でブツブツ言ってるんだ?そろそろメシ選べよ。何も頼まないで居座るやつみたいに見られるじゃないか」 「わるい。そうだな、僕はこのスパゲッティを選ぶとするよ」
似合わぬ晴れやかな表情が奇妙だが、いつも奇妙なやつなので放っておこう。すみませーん、と手を挙げると、いつもの店員がにこやかに駆け寄ってきた。
どうしよーねーまたベース弾けなくなっちゃったよ。せっかくundeadの運指もいいとこきてたのにさぁぁぁぁ ナット交換するとして届くのは10日以降 Dingwallが返ってくるのが26日。
ああああああああ禁断症状出ちゃうよおおおおおお
ブラスナットを諦めるとして、グラファイト製の純正を買っても4000円かかる。とりあえずクレカの支払い終わってから注文するか。楽器てほんとに金かかる。 つくづくそう思う。
ネタ集めの新スレがもう一つあっても良いかもしれない、アウトプット用の
こうこうさんねんせい から ろうにんせい へとグレードアップ(ダウン?)しましたが ログインしてないせいでスレタイが変えられない がしかし愛着があるのでスレ変えをしようとも思えず 私はこうこうさんねんせいのまま生きている
ありがたや 新生活も幸あれ、スタッフさん方よ
ハウスで鍛えてもらいましたねぇ
だがしかし ゆうて私もハウスに行くまで何もできなかった お嬢さまだったからではなく母が手出しを嫌ったからでしたが(掃除と洗濯とかはできた、料理を禁じられていた)
洗濯とかしたことない~どうしよう! って言っててビビった こんのお嬢さまめ
浪人してわざわざ寮に入るような子たち、お嬢さまお坊ちゃまが多いから……
友達になった子たちも 親にクレカ渡されてたり、桁違いの子が多いですワ
ほんまか〜!?誰か絶対使ってたやろ〜〜!?と思ってましたが
あ、未開封の紅茶がある♪とルンルンしてたら 賞味期限がはるか昔なことに気が付き これはガチだと思った 醤油は干からびていてこわかった
((元々男子専用寮、今年から女子も入寮受け入れされた))
部屋の電気代が実費なので、ケチって共同キッチンで料理してたら 「このキッチンが使われてるの、女の子が来て初めてだよ〜🎶」と寮長先生がめちゃくちゃ嬉しそうにルンルンされていたので 可愛かったが申し訳なかった 電気代ケチっただけですワ……
素敵な選TAXIもオヌヌメ 私はこれでバカリさん天才だとおもった
そして坂本裕二&バカリ好きはだいたい気が合う アカネさんもハマってましたねぇ……
と、ここまで書いたところで もしや私宛てですか!?!?私も好きです大豆田さん!!!!!
どちらかというと 坂本さんは会話劇が面白く、 バカリさんはストーリーが面白い印象がある
わたくし、どちらも大好物
坂本裕二好きとバカリズム好きはほぼ同集合だと思う
キャストも2人で取り合ってる感がある バカリさんの作品に松たか子が出た暁には激アツすぎて炎出す自信がある
キャラソン(公式)
まって、twstこんな面白いの聞いてないってば……
イグニ全開
はい!うれしいです!ありがとうございます!
運営出し惜しみせずバンバン動画あげてくるのやばい、オタクの気持ち考えたことありますか?
これがディアそムニアなんだ……わからせられた…
ただ今まで生きてきてほぼ聞いたことないワードフルコースで消化に時間かかる
全員美声すぎて痺れる
すべ〜〜〜〜て〜を〜〜〜〜🎶🎶🎶🎶🎶
ちかちかやかましいから2個だけ消したw
35話 カイさん面白いww 「ふぁーお!!!」 「セイラさん愛してるよ!」
近所に業務用スーパーがあるからそこで冷凍の肉だの野菜だの買い貯めておけばいけるかなーって。
霞食べて生きていこうとしてる?
中途半端に残った大根の菜っ葉を漬物にした。豚肉焼いてワサビと合わせて食うと美味い。
これ10話じゃ尺足りないだろ
おい!!大型トラックからのダンプカー!!
脚本家の趣味がキャスティング側の趣味かわからないけど松田さんに失恋させるの大変いいと思います
閉じ込めるにも逃げ出すにもカレー
🎆
🌃
これじゃない。私はあの人とおんなじ匂いがいいのに。
はっきり言って、最初は好きじゃなかった。司さん、匂い強すぎ。歩いた道すじが分かるくらい匂いが残る。鼻がいい私には辛かった。
人の香水がきらいだ。頭が痛くなるし、なんでみんな平気なの?ってずっと思ってたし、今も思ってる。香水の強い人が複数いたりしたら、もうサイアク。気分がわるすぎて倒れそうになる。
だけど、いつからだろう、あの匂いを嗅ぐと安心するようになった。ユキさん来たんだー!って。そう、この頃にはもう、司さんじゃなくてユキさんって呼ぶようになってたな。
何の匂いかって、聞かれると難しい。甘い匂い?違う。さわやかな匂い?違う。ユキさんの匂い、としか形容できない、あの匂い。香水はつけてないよーって、柔軟剤じゃないかな?って言うけど、そんなことある?こんなに強い匂いなんですけど。
それでもあの匂いが好きすぎて、もしかしたら、と思って速攻でポチった。ユキさんはIROKAを使っているらしい。IROKAの、ホワイトリリー。ワクワクしながら洗濯してみたけど、これじゃない。似てるようで違う。けど、嗅いでるうちに毎回分かんなくなっちゃうの。この匂いだったような気もする…?って。
で、ユキさんに会って、あ、ユキさんの匂い!ってなって、やっぱりIROKAとは違う匂いだなーって。もうすぐ会えなくなるのに、この匂いの正体が分からないと私はしんでしまう。せめておんなじ匂いにたどり着けないと、生きていけない気がする。
最近、柔軟剤の他にアロマビーズを入れていることも教えてくれた。レノアオードリュクスの、白いやつ。これか〜!って叫びそうになった。ベルガモットの香りがどんなのかは知らなかったけど、直感で、きっとユキさんはベルガモットの匂いだって思った。
さすがにおんなじ匂いがしたらユキさんにバレちゃうから、ユキさんと会えなくなった後で使い始めようと決めた。
別れ際のユキさんは冷たかった。別に一生会えなくなるわけじゃないんだし、って。そういう人なのは分かってたよ、分かってたし、そんなところも好きになったんだよ。だけどさ、寂しいじゃん。最後くらい、ハグしてくれてもいいじゃんって思った。二度と会いに行ってやらないんだから、もう。
泣きながらレノアのアロマビーズを買いに行った。お気に入りの服とパジャマと、バスタオルを数枚洗う。パラパラとビーズを振りかけたあと、どうかお願い、と思いながら洗濯機の蓋を閉めた。
これじゃない。ユキさんの匂いとは全然違った。もしかして乾いたら香りも変化するかも、と思ったけど、全然変わらなかった。もしかしたら変わったのかもしれないけど、ユキさんの匂いじゃないなら、どんな匂いだっておなじことだ。
私はあの人とおんなじ匂いがいいのに。そしたら何とか、毎日頑張っていける気がするのに。
もう涙も出なかった。私は抜け殻だった。それでも生きていかなきゃいけなかった。もう無理〜って叫んでも、受け止めてくれるユキさんはいないから。いや、違うな、ユキさんは人の感情を決して受け止めないし、まして受け入れなかった。ただ横にいて、私が落ち着いた頃に、ニヤッと笑ってアイスクリームを渡してくれる人だった。ユキさんと食べるアイスはおいしかった。
冷凍庫には一つだけアイスが残っていた。気付かなかった、ユキさんが置いていったやつだ。ユキさんお気に入りの白い板チョコアイス。こだわりが強くて、ノーマル版を買って帰った日には明らかに不機嫌そうだった。それでも、罪の味がする〜なんて言いながら、おいしそうにニコニコ食べてくれた。私にもあんな風に笑いかけてくれたら良かったのに、と思ってまた泣きそうになる。
とりあえずアイスを食べようと思ったけど、アイスを食べるには体が冷えすぎていることに気がついた。3日間お風呂に入っていなかった。メイクもしてなかったし。汗をかくようなこともしていなかったし。言い訳しても、そもそも言い訳を聞いてくれる人もいないのだった。言い訳をしても一人。
お風呂を沸かす。今日はゆったりと浸かろう、と心に決めて浴室に入ると、見覚えのないシャンプーセットが置いてあった。"重たいから置いてく。使ってください"ユキさんの字だった。置いていく、というには真新しいシャンプーセット。プッシュするとスカスカする。やっぱり新品だ。
カコンカコン、という空プッシュの音が何度も響いた後、シャンプー液が出てきた。ツンと香る。嗅いだことのない匂いだ。さてはユキさん、また衝動買いしたな。可愛らしいパッケージ、そうだ、ユキさんはクールな見た目によらず可愛いものが大好きだった。確かにこのパケ、好きそう。
ふふ、と笑う余裕が出てきた。+tmrっていう名前のシャンプーらしい、なんて読むのか後で調べようっと。
念入りに髪を洗う。リンスの後にコームで梳く。丁寧に乾かす。こうして自分のことに時間を使うのは久しぶりだった。四六時中ユキさんのことを考えていたから。
よっこらしょ、と一人食卓に座り、板チョコアイスを開ける。冷凍庫から出したばかりのアイスはまだちょっと固くて、一口分をパキッとするには力がいった。その拍子に、耳にかけていた私の髪がはらりと揺れる。ショートカットのユキさんに憧れて短くしてから、耳にかかりにくくなって不便だ。
ふと、ユキさんの匂いがした。
「ユキさん!?」
慌てて振り返ったが、ユキさんはいない。そもそもドアの音はしていなかった。でも確かにユキさんの匂いがする。
くんくん、と鼻をきかせる。近い。近くから香っている。
歩き回っても匂いとの距離が変わった感じがしない。もしや、と思って髪の束を鼻に近づけてみる。
「ユキさんの、匂いだ……」
わけも分からず涙が溢れて止まらなかった。ユキさん。ユキさん。
たぶん私は、あのままユキさんといたらダメになっていた。これできっと、良かったのだった。
もう二度と、会いにはいかない。いや、30年後くらいなら大丈夫かな。お互いおばあちゃんになって、丸くなって。あのときはお互いトガッてたねなんて、笑い合うのだ。
私は私の人生を歩まなきゃいけない。このシャンプーを使い切るまでには、自分自身の道を切り開かなきゃ。次のシャンプーは、自分で決めた別のを買う。
だけど、今は。今だけは、頼らせてね。髪をくんくんしながらわぁわぁ泣く私は、きっと端から見たら変人で、それでいいのだった。私はどうしようもない変人で、それでも歩んでいかなきゃならない、このズレた自分を乗りこなしながら。
暗がりで一つだけついた食卓上のペンダントライトが、すすり泣く私の横でオレンジ色に光り続けていた。
「鍵なんてこの世から無くなればいいんだ。鍵こそがこの世の諸悪の根源だよ」
真顔で言うので冗談に聞こえない。
「これまた極端な物言いをするね。鍵に親でも殺されたのかい?」
「そうだよ、僕の両親はどちらも鍵に殺されたんだ」
「え……」
「母は間接的に、だけどね。火事だったんだけど、鍵が壊れていて開かなかったみたいなんだ。そのうちに一酸化炭素中毒で意識を失ったみたいで、苦しんだ跡は無かったのが救いだね。父は強盗に撲殺されたんだけど、犯人が使った凶器が鍵だった。僕はこの世から鍵が無くなればいいと思ってるよ」
飄々としたやつだと思っていたが、かなりヘビーな過去を持っているようだった。彼は独身だし、きょうだいはいないと言っていたので、この年ですでに天涯孤独なのか。嫌なことを思い出させてしまっただろう。自分の軽率な物言いを恥じた。
「それはまた……無神経なことを言った、すまない」
「なんてね。両親ともに健在だよ。憎まれっ子世にはばかるってやつかな。憎まれっ"子"なんていう年齢じゃないけど……」
……心が忙しい。尚も飄々とうそぶく彼に腹を立てる。
「お前、人が本気で心を痛めたというのに」
「わるいわるい。だけどさ、考えてもごらんよ。人の過去なんて星の数だけあって、皆が他人には見えない荷物とトリガーを持ちながら生きているんだ。どんな言葉が相手のかさぶたを剥がすか分からない。いや、もしかしたら血だらけの傷に塩をかけるのと同じかも。だから人にかける言葉には、慎重にならなくちゃいけない」
「確かに俺の物言いは軽率だった。仮にお前の親が生きているとしても避けるべき言い回しだった、すまない。だけど、相手が何を背負っているのかって、本当に見えないものだな。慎重になるったって、限界があるよ。例えば……そうだな、レモンとか、口紅とか、そういうものがトリガーになるかもしれない。見えないトリガーを避けるなんて、難しすぎる」
口紅、というところで微かに彼の顔が歪んだ気がした。そういえばなぜ俺は口紅なんてチョイスをしたのか。ああ、今日通ったデパートのショーウィンドウに飾ってあったんだ、などと思いを巡らせている間に、彼はいつもの飄々とした様子に戻った。
「だからさ。僕は人と話をするのがこわいよ。いつ何時、相手を傷付けるか分からないから」
「そこはもう、ある程度割り切るしかないだろ。相手には相手の荷物があるように、自分にも自分の荷物がそれなりにあるんだから、傷つけ傷つけられくらいで納得しておかないと」
ハッとした顔を見せる。何やらゴニョゴニョと呟いている。
「そうか……人を……るとはまったく……なことだ」
「何を一人でブツブツ言ってるんだ?そろそろメシ選べよ。何も頼まないで居座るやつみたいに見られるじゃないか」
「わるい。そうだな、僕はこのスパゲッティを選ぶとするよ」
似合わぬ晴れやかな表情が奇妙だが、いつも奇妙なやつなので放っておこう。すみませーん、と手を挙げると、いつもの店員がにこやかに駆け寄ってきた。
どうしよーねーまたベース弾けなくなっちゃったよ。せっかくundeadの運指もいいとこきてたのにさぁぁぁぁ
ナット交換するとして届くのは10日以降
Dingwallが返ってくるのが26日。
ああああああああ禁断症状出ちゃうよおおおおおお
ブラスナットを諦めるとして、グラファイト製の純正を買っても4000円かかる。とりあえずクレカの支払い終わってから注文するか。楽器てほんとに金かかる。
つくづくそう思う。
ネタ集めの新スレがもう一つあっても良いかもしれない、アウトプット用の
こうこうさんねんせい から ろうにんせい へとグレードアップ(ダウン?)しましたが ログインしてないせいでスレタイが変えられない がしかし愛着があるのでスレ変えをしようとも思えず 私はこうこうさんねんせいのまま生きている
ありがたや 新生活も幸あれ、スタッフさん方よ
ハウスで鍛えてもらいましたねぇ
だがしかし ゆうて私もハウスに行くまで何もできなかった お嬢さまだったからではなく母が手出しを嫌ったからでしたが(掃除と洗濯とかはできた、料理を禁じられていた)
洗濯とかしたことない~どうしよう!
って言っててビビった こんのお嬢さまめ
浪人してわざわざ寮に入るような子たち、お嬢さまお坊ちゃまが多いから……
友達になった子たちも
親にクレカ渡されてたり、桁違いの子が多いですワ
ほんまか〜!?誰か絶対使ってたやろ〜〜!?と思ってましたが
あ、未開封の紅茶がある♪とルンルンしてたら
賞味期限がはるか昔なことに気が付き これはガチだと思った 醤油は干からびていてこわかった
((元々男子専用寮、今年から女子も入寮受け入れされた))
部屋の電気代が実費なので、ケチって共同キッチンで料理してたら
「このキッチンが使われてるの、女の子が来て初めてだよ〜🎶」と寮長先生がめちゃくちゃ嬉しそうにルンルンされていたので 可愛かったが申し訳なかった
電気代ケチっただけですワ……
素敵な選TAXIもオヌヌメ
私はこれでバカリさん天才だとおもった
そして坂本裕二&バカリ好きはだいたい気が合う
アカネさんもハマってましたねぇ……
と、ここまで書いたところで
もしや私宛てですか!?!?私も好きです大豆田さん!!!!!
どちらかというと
坂本さんは会話劇が面白く、
バカリさんはストーリーが面白い印象がある
わたくし、どちらも大好物
坂本裕二好きとバカリズム好きはほぼ同集合だと思う
キャストも2人で取り合ってる感がある バカリさんの作品に松たか子が出た暁には激アツすぎて炎出す自信がある
キャラソン(公式)
まって、twstこんな面白いの聞いてないってば……
イグニ全開
はい!うれしいです!ありがとうございます!
運営出し惜しみせずバンバン動画あげてくるのやばい、オタクの気持ち考えたことありますか?
これがディアそムニアなんだ……わからせられた…
ただ今まで生きてきてほぼ聞いたことないワードフルコースで消化に時間かかる
全員美声すぎて痺れる
すべ〜〜〜〜て〜を〜〜〜〜🎶🎶🎶🎶🎶
ちかちかやかましいから2個だけ消したw
35話
カイさん面白いww
「ふぁーお!!!」
「セイラさん愛してるよ!」
近所に業務用スーパーがあるからそこで冷凍の肉だの野菜だの買い貯めておけばいけるかなーって。
霞食べて生きていこうとしてる?
中途半端に残った大根の菜っ葉を漬物にした。豚肉焼いてワサビと合わせて食うと美味い。
これ10話じゃ尺足りないだろ
おい!!大型トラックからのダンプカー!!
脚本家の趣味がキャスティング側の趣味かわからないけど松田さんに失恋させるの大変いいと思います
閉じ込めるにも逃げ出すにもカレー
🌃