数分後 バイパス 平原エリアトンネル付近
那智はF150をとばしていた。トンネルにさしかかり中に入ったとたんと同時にエンジンから嫌な音がした。
ギギギ···ギギギ···プシュ~~ しまいには煙が出てしまった。那智は左にヴィンカーを出してノロノロと路肩に寄せて止まった。エンジンを確認しようと思いハザードをつけて降りた。ボンネットを開けると凄い黒煙と焦げ臭い臭いがただよった。
那智「さっきオイル線切ったのが原因かな···でもどちみちこいつ15年くらいたっているからガタがきたんだな···」
実はこのF150はジャパリパークだった頃の物を再利用して放置されていたのを動かせるようにした物であった。しかも2017年時点でこのF150は16歳と言う老車だった為,故障する事が多かったが今回はエンジンが完全に真でしまった。
那智「まいったな~····ここから徒歩で近くのガイドセンターから車を借りれる距離でもないし···う~ん···」
道路を見ていると一台のクルーのタクシーが走ってきた。
するとクルーは路肩に寄せてF150の後ろに止まった。そしてタクシードライバーが降りてきた。
タクシードライバー「どうしたんですか?」
那智「いや~車壊れちゃって····」
タクシードライバー「あ,そうなんですか。車はどんな状態なんですか?」
那智「エンジンルームから焦げ臭い臭いがして完全にエンジンがイッちゃってます··。」
タクシードライバー「なるほど····これじゃあ治せないな····」
那智「治したり出来るんですか?」
タクシードライバー「ちょっとした故障とかだったら治せるんですけどここまで酷かったらね~·····」
那智「あの~····突然なんですが···ジャングルエリアのジャパリワールド本部まで連れていってくれませんか?」
タクシードライバー「あ,良いですよ。じゃあタクシーに乗ってください。」
那智「はい,ありがとうございます。」
後部座席のドアが開いて那智は座った。ドアが閉まるとクルーは右にヴィンカーをだして道路に戻った。
那智はスマホを取り出して島のレッカーサービスに電話をかけて故障したF150を回収してくれるように頼んだ。
それからおよそ28分後
ジャングルエリア ジャパリワールド本部前
タクシードライバー「料金は300円になります。」
那智「はい。どうもありがとうございました。」
タクシードライバー「では失礼します!」
そう言って去っていった。那智は少し落ちこぼれながら本部の中に入って正面エントランスを通りエレベーターに乗った。そして総司令室などがある3階についてエレベーターを降りた。少し一つため息をついて早希が居るだろうと思われる総司令室の扉を開けた。中には予想どおり早希が居た。