成富「だが神の恵みはある!」
そう言って取り出したのはマッチ箱だった。
翔大「これが···神の恵み···w。マッチと名の贈り物···w。」
成富「と,ボケるのはそこまでにしてと、はいこれ。」
翔大「あ,ああ。サンキュー··。」
成富「一応予備でこっそり持ってきていたんだ。まさか使うとは思っていなかった。」
翔大「本当にありがとうな。次は松明の代わりになる物だな。なんかねぇか?」
成富「う~ん····あ,これとこれで良いんじゃない?」
持ってきたのは子供用の傘の骨組みとその辺に落ちていたサーバルとサバンナ地方の風景が載っていたポスターであった。
翔大「おお。これなら出来るな。」
骨組みにポスターを巻いた。そしてマッチ棒を取り出して火をつけた。辺りがだんだん見えてくる。
成富「見えた見えた~。松明すげぇや。」
奥にはカウンターが見えていて天井に「案内所」と書かれていた。二人はそのカウンターに近づいて行くと色々資料とか写真とか置かれていた。
翔大「誰だろうこれ?」
写真には一人の少年とサーバルとカラカルがニッコリ笑って撮られていた物だった。場所はどうやらこのガイドセンターの前で撮られた物らしい。3人の後ろにはラングラーサハラが置かれていた。恐らく横転していたラングラーサハラがこの写真の物と同一するのではないだろうか。写真の右はしっこには「1993 5/16」と記されていた。
翔大「20年くらい前の写真だ···。建物もまだ綺麗だ···。」
カウンターを後にして奥に進んでみようとしたが,行ってはいけない気がしたのできりかえした。
成富「ちょっとまって,奥気持ち悪い···。·····は?!は?!!今なんか聞こえたよね?!」
翔大「いや?全く···。」
成富「ちょっと待ってちょっと待って···奥行くの本当に辞めよ。駄目だ本当に寒気する···。」
翔大「(あ,そう言えばこいつ霊感持っていたんだよな···さほどちょい少しくらいの低さだけど···)分かった。じゃあ他の所探そう。」
成富「ありがとう···。」
それからしばらくもたたないうちに翔大が何かを見つけた。
翔大「なぁ,階段あったぞ。」
成富「あ,本当だ。これは下に伸びているから地下に続いているのかな··?」
翔大「とりあえず行ってみるか。」
明かりをともしながら階段を降りていった。降りていくとドアがあって閉まっていた。翔大はドアを開けようとすると長年放置されていたせいか上手く開かなくなっていてなんとか体重をかけたら開いた。成富に持たせていた松明を返してもらって明かりを灯すと驚いた。
翔大「なんだこれ?!すげぇ!!」
成富「凄く綺麗···!状態も良い···ナイスボディースタイル····。」
二人が見た物はジムニーのインタークーラーターボのピックアップとバンと初代エクスプローラーと6代目チェイサーのJPPRとヤングSSなど多くの車両があった。どれも綺麗に駐車線に停められていた。
翔大「なぁ,こいつら使えそうだな··!」
成富「ああ!錆びもねぇし痛んでもいない。タイヤもパンクしていないのがほとんどだしこれは動くんじゃないかな?!」
翔大「じゃあどれか一台選んで乗って脱出しよう。」
成富「ああ。····じゃああのジムニーで。」
翔大「前輪の空気が抜けてるぞ。」
成富「大丈夫!これを使えばOKOK!」
そう言って足で踏んで空気を入れる道具を持ってきた。