数分後 那智と早希はパジェロのヴィンチにロープを付けてそのロープを使ってエクスプローラーが落ちた林に降りた。エクスプローラーの天井は落下の衝撃でダメージが酷くほぼペチャンコになっていた。
早希「状態が酷いわね····この僅かなスペースだけであの子達はよく脱出出来たわね···。」
那智「車内をさっき調べたけどこれが見つかったぞ。」
それは黒のiPhone6だった。
早希「あ,これ···翔大の··!!」
那智「多分彼はスマホを落とした事に気づいてなかったんだろう。会ったら渡してあげたら。」
早希「うん。ありがとう。」
那智「それともう一つ見つけた事があるんだが,靴の跡が林の奥へと続いている。」
早希「本当だ。····確かあの方角は·····あ!」
那智「なにか思いだしたのか?」
早希「13年前の事故以来放置されている廃道があったわ!確か名前は···まほろば···そう,まほろばストリートだったわ!」
那智「よし。じゃあ早速行こうぜ。」
二人は足跡をたどって目的のまほろばストリート廃道へ歩きだした。
それから約10分後。翔大と成富も見たアトラスの廃車が見えた。
那智「見ろ,ガードレールとトラックだ。多分あそこがそうだろ。」
早希「廃車にガードレール···間違いないわ。」
ガードレールが途切れている所から廃道に入った。
那智「足跡が見えねえな。それに雑草が酷い···。」
早希「もしかしたらこの先にあるガイドセンターの廃墟に居るかもしれないからそこを目指して行きましょ。」
那智「了解だ。(雑草めんどくせぇ····)」
那智と早希は廃車の列と検問跡を抜けて歩き続けるとガイドセンター跡の駐車場の入り口の看板が姿を表した。
那智「ここか。」
早希「ええ。」
那智「雑草がさっきより多いのと背が高くてなにも見えないじゃん···。」
早希「サバイバルナイフとか持ってないの?」
那智「持ってるよ。」
早希「じゃあそれで雑草を切ったら?」
那智「なるほど。試してみよう。」
草が切れて道が現れた。
那智「おお。じゃあこのペースで前に進んで行くか。」
早希「おお~。」