ににんがし

【役者でない&水野はつね】(第2期) / 130

130
役者でない 2021/06/20 (日) 22:57:24

懐刀の香水はパウダールームで仕込んでいく
あいつごときに血なんか流してやるものか
それはケンカしたい相手にとっておく
傷口に染み出すのは乳色の樹液

忘れ物のストールを取りに来てすぐ帰った喫茶店に記憶の幽霊。ヒッチハイクでもすれば、すぐに行けるか。話をしたいドライバーにはゴツゴツと歓迎される。どんな話も受け止め、跳ね返す、スーパーボールを弾ませ合うように。ソフビのような無表情で見下ろした工場のリノリウムを思い返しつつ(あの隔膜、作ってたのはさて誰)。笑い声は高速道路を跳ね後方へ。ときにタイヤ交換を手伝って。ジャッキジャッキジャッキジャッキアップはなぜこうも、名前が音を表すのか。額に腕に、足に、汗が伝う。直射日光の下、だからマシだな風が吹く。2人がかりの重行。お礼に奢られた、顎を迎え撃つタコ丼。湾岸眺めて大口かき込むドライバーの、長髪、きれいに編まれている。別れ、そして再会はもうじき。

前略マイフレンド、海辺の羊は元気です
ひがしの港でウールのカーディガン
ぬいぐるみの首のりぼんよりよっぽどかわいいカードホルダー
メェメェ文句を言いながら ご飯の対価に蹄でキーボードをぱちぱちはじいています
草々、都会のごはんはそれなりです

そんな空想をずっとしながら、別の工場にいる。荷物の上げ下ろしは給金は安くとも、期待と義務の締め付けがない(でも締め付けがあったからこそ、胸骨があれだけ動くことを知れた。と、今になって)。

のうーとさせてもらって恐縮です。年月で伸び切った様は、おっさんのズボンの腰紐?いやいやうねうねしながらも、ちゃんと準備はしてましたとも(紆余曲折右往左往の末すべて繋がりました。感謝)

追伸、なんで輪ゴムって、輪ゴム色しかしていないんでしょうね、
造花をたばねるにも、髪をまとめるにも、太陽を撃つにも使うのに——

再会のための出発を見据えて、割り箸銃に組み、装填する、
弾は環状

落とした黄色を拾い上げ 闇夜にもういちど狙いを定める
伸ばして、伸ばして、伸ばしても伸ばしても、射程はわずか10cm
それでもめいっぱい引き絞る

あ
月がもうじき星座を追い越すよ

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