はったみさと
2021/06/20 (日) 17:44:41
ねえ、触ってみて
踏んであるく
膝をつき
倒れる
頬ずりして撫でる
舐める
こっそり歯を立てる
貼りついて
いやなにおい
べたべた
どんなに噛んでも噛みきれない
ああ、こんなに暑いから
抱きしめて
解き放つ
押して
跳ね返り
はずんで高く飛んでいく
カラフルなわたしの散弾
粉を吹き
ひび割れて
ぽたぽた
かたく閉じても漏れていく
だって、こんなに寒いから
ねえ、あなたも触ってみて
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仔犬のようにまるくてふるえる
指先で捕まえて
力を籠めたらぽろりと欠けた
何度も何度も目を覚ますたび
擦り減る世界を剥がして
散らばる時間の残り滓
降り積もった枯葉の上
拾ってふところに忍ばせる
色とりどりの丸い種
それはまだ見ぬ子への土産になるだろう
街道は長く伸びて
赤い赤い夕焼け空
耳にやわらかな足音が流れる
遠くの野火
くすぶるにおい
旅人は鼻をつまんで
足早な雲を呼ぶ
井戸端に欠け茶碗
軒先に洗濯物
うるうると眠った宿に
夜半から冷たい雨
密かな艪の音はだれにも気取られない
硬くほころびた骸を乗せたまま
夜船は港を出ていく