はったみさと&山口斯【決定稿】
2021/06/20 (日) 20:48:49
何度も何度も目を覚ますたび
擦り減る世界を剥がして
散らばる時間の残り滓
降り積もった枯葉の上
拾ってふところに忍ばせる
色とりどりの丸い種
それはまだ見ぬ子への土産になるだろう
街道は長く伸びて
赤い赤い夕焼け空
耳にやわらかな足音が流れる
遠くの野火
くすぶるにおい
旅人は鼻をつまんで
足早な雲を呼ぶ
井戸端に欠け茶碗
軒先に洗濯物
うるうると眠った宿に
夜半から冷たい雨
密かな艪の音はだれにも気取られない
硬くほころびた骸を乗せたまま
夜船は港を出ていく
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