自己紹介:
詩をちゃんと勉強しよう、と思ったのが去年の夏くらいです。それ以外は、趣味で小説を少し書いていました。
詩と呼べるかはわかりませんが、以下のような雰囲気で書いています。
《おしべ》
花が腐る前に、茎をちぎってポッケに入れた。
家に帰って、『姑獲鳥の夏』と『魍魎の匣』で押し潰した。
水分の含有率が少なければ、
君は永遠に私の栞になってくれるらしい。
Hey Siri, 今日の天気は?
ーー今日は晴れていて、気温は32℃です。
今日の湿度は?
ーー今日の最高湿度は、72%でしょう。
そうか。だったら困るな。
花をコインランドリーに連れていって乾燥機に入れた。
崩れたら困るからちゃんとタオルに包んだ。
花のにおいがすごいのか、みんながこちらをじっとみていた。
蒸し暑い。コーラでも買って帰ろうか。
植木鉢にはあげないよ。
君にはずっと綺麗なままでいてほしいから。
《在庫処分》
ご本人様不在の為お荷物を持ち帰りましたご。確認ください。http://
見るからに怪しいショートメールを真に受けたのは歓迎会でハイボールを飲みすぎたからだ。
失敗に気づいたのは20キロのイチゴが腐った匂いを放ちはじめてからだった。
どうせ親からの仕送りだと思ってろくに差出人も確かめなかったのがいけなかった。
差出人名は空欄。住所は「虚数空間」
到着から3日も経過していないのでクーリングオフに出そうと思って電話をかけた。
「クーリングオフですね。かしこまりました、ではお荷物をお持ちになって住所の場所までお越しください」
虚数空間がなんなのか分からなかったため、とりあえずアパートの裏の空き地に行った。すると黒いスーツの男が僕を待っていた。
「キノシタユキナさまですね?」
間違いしかなかったが面倒なのでとりあえず頷いた。
「かしこまりました。ではお荷物をお受け取りいたします」
男は腐ったイチゴの詰め合わせを大事そうに抱えて去っていった。
後日、お詫びの品としてイチゴが40キロ届いた。
《不健康のすゝめ》
血液中にカツオブシの粉末が侵入していますね。
11月に行われた健康診断の血液検査でD判定を食らい、指定の施設で再検査を受けたあとそう言われた。
「高慢と偏見とゾンビ」を視聴しながらカツオブシの粉末をストローで吸うのがプレミアムフライデーのルーティーンだったが、それがいけなかったらしい。
カツオブシのダシで血液に旨味が出るのはいいのだが、肝臓にダシガラが溜まるのはよくないのだと医師は言う。
あなたは酒もやらないし煙草も吸わない。上質な臓器を持っているのだからもっと自分を大切にしなさいと説教された。
カツオブシくらいでなんだというのだ。
私は先の健康診断の結果を見返した。
筋肉A、皮膚A、骨A、眼球A、脳B、血液D。
備考:良質な肉。臓器に難あり。飼料を調整して経過観察。
IDカードには24時間以内に検査結果が登録される。
スーパーでカツオブシを買えなくなるのもそのときだ。
しかし私の心は軽かった。
当然だ。肝臓が治るまでは生きていられるのだから。