ne_ta6
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2021/03/20 (土) 18:55:48
二階床の間に飾られた写真
祖父の顔を私は知らない
あの島でおじいちゃんは亡くなったの
去年、鳴門大橋を渡るときに呟いた母の視線の先
グーグルマップには病院の名前と「阿波井神社」
卒業旅行に徳島へ行こうと提案した私に
あなたは即答で賛成した
耳慣れない名前の小さな神社を
観光コースに加えた時は少し訝しんだが
病院にアポを取る気は無かった
祖父の足跡が残っているかさえ分からない
その神社は船でしか行けないんだって
私が何気ないふりで持ち出した話題に
あなたが思い浮かべたのは孤島だった
春の海と空のうららかなあわいにたゆたうひとりぼっちの島
そこへ向かう船はあたらしい陽炎に飲みこまれそうだね
あなたの頭の中にうまれた孤島へ旅をする
そこに祖父が待っているような気がして
海水を渡る向こう岸
よく来たね 会えて嬉しいよ
私を迎えるおじいちゃんの笑顔
写真の中でいつも笑っていた
母と祖母から聞く穏やかな「おじいちゃん」と
この小さな島に閉じこもったまま
家族にも会わず死んだ「祖父」の
あわいにいるおじいちゃんが
私の手を引いて境内へ歩き出す
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>二階床の間に飾られた写真でしか
>祖父の顔を私は知らない
だとおさまりがわるいでしょうか。
写真があるなら顔は知ってるのでは……という
こまかーいツッコミが心の中で発生しました。
あ、たしかに(苦笑)。
「でしか」追加しましょう。