ににんがし

【クノタカヒロ&町田尚】 / 101

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クノタカヒロ 2021/03/04 (木) 12:20:58

二月なのにぬるい
たしか糸のような雨がふっていた
風にゆれるガジュマルの下
那覇の町並みを見る
白くけぶる町の家根
雲の下にながれこむ光
空気が甘い
やさしさに打たれている
どこにいても落ち着かない気持ちが消えていた
沖縄にきてから消えていた

二月なのにぬるい
からだの磁針が曲がってしまった
バオバブを宝の樹と呼ぶのなら
知花の楽園は宝の森か
雨と風と堆肥のにおいの隙間を抜けて
焼きたての肉にかぶりつく
沖縄で一等と
カズマ兄(にいに)が教えてくれた
檸檬とバタアと大蒜がのった
うるまの牛肉にかぶりつく

血と大地の血は熱い
発火しそうな息が充満する車内
まだ夜までは遠い
そしてまた雨がふっている
濡れた光が車道でゆれている
みなぎっている街路樹
厚ぼったい葉が弾く
ゆらゆらと窓ガラスを這っている
沖縄の雨に打たれながらむかうコザ
音楽と夜の町コザ

借り切りのエクリプスクロスで
県道330号線を駆けていく
かつて軍道24号線と呼ばれた
暴風が吹き荒れた走路を
鋼鉄の車でホテルコザを目掛けて
ライブハウスとエイサーの街
この街に愛される日は来るのだろうか
tacosに多幸寿と漢字を当てた
チャーリーさんみたいに
この街と結ばれる日は来るのだろうか

遠い二月だった
遠い十二月だった
遠い三月だった
遠い十二月だった
あの島とはずっと、前からきっと
月桃の糸で、つながっていた
首ちり友(くびちりどぅし)
行逢りば兄弟 (いちゃりばちょーでー)

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