三月も十二月もコザだった
生温かい夜だった
アルコールで変に目が冴える
雨が降ってきても傘をささず歩く
さっきまで歩いていた男たちも蒸発して
ひとり街角をこする
目眩がして街を去り友と落ち合う
コザの夜はまだ終わらない
名も知らぬ泡盛で高い波がくる
名も知らぬ女と電力にのって踊る
夜の汀で、
夜の潮騒の果てに誰かとまた落ち合う
(町田)
三月の終わりは名護だった
憩いの駅で緑のハブを首に巻きつけて
皮の栞を財布に仕舞い込む
陽の光を避けるように
迷い込んだのは乾杯の歌酒場
フクシマ訛りのないちゃーと
青い瞳のうちなんちゅ
時の最果てにも似た交叉点で
わたしとあなたのデュエットが始まる
「時間の迷い子が行き着くところ」さながらに
大人と大人の杯が交わされる
(クノ)
石垣島は分からない
ただ通り過ぎたとしか言いようがない
半端な下心で指を切る情けなさ
自分はどこまでも訪問者で
踏み外せば腐れないちゃー
由布島へわたる水牛の背中で
せいぜいゆれるぐらいがいいのか
ここでも雨は降って温かい
水の牛歩がたてる波音をきく
海をわたることをまだ知らないでいる
(町田)
十二月が蕩けていく
羽衣の伝説が残る宜野湾で
鮮やかで木目細やかな
さすがは「ねたての都」と
いつかお礼がしたくて
紙切れに識別子を書きつけた
天高く舞い上がっても
あなたがわたしを探せるように
メキシコで、桜坂で、珊瑚の海で
あなたとわたしが出逢えますように
(クノ)
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