ににんがし

【しき&山口斯】 / 32

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Dia dhuit, Dia dhuit,
あなたの名前をうまく綴れないので
宛名は空けておきました
二分待ってようやく昇った
それはただの口凌ぎ
千鳥足で鳴らないハープを弾きながら
ぼくはぼくで何を待ったら

はろばろに浮寝せる罎ゆくりなく
罅(ひわ)れさらわれ手に入(い)る手
敬白からはじまる蕾ひらく
一片の躑躅を往来して
反芻して
井戸に影は降らぬ
渡る目いさよい行き泥む

頬張るラップが少しだけ溢れる
これが吸い殻か硬貨なら
すぐに拾われて追いかけることもない
左か右か上か下か
「あまりそっちには行かないでね」
マルキエビッチが見張る
偶数区域の緑地にて

弥栄の賑わい逃れて到る
反魂烟(たばこ)王の館(やかた)臨む庭
六阿弥のサロン慈烏さいさいし
上枝下枝(ほつえしずえ)や楉(すわえ)に宿る
仏の去ぬる景に
彼岸思(も)いし桜樹(た)ち継ぐ
真葛ヶ原に烏さわぐなり

沈黙を意味する像
保身の手立ては見つかったかい
言い放ったところで
左折を繰り返すことができない四角
留まり方がわからなかった
腹から下の機能を失っても
書庫の見学者を縫って

な告(の)りそと磯にあらずや
レンガつむ三条東洞院の人なみい行(ゆ)きさぐくみて
月日を数(よ)みて半月の
のぼるみ天(そら)は岡崎を照らす今々
しら浪のしらぬむかしを語る書(ふみ)
銀杏に記すざらざらの大地栞に
集書院かの如き舎(しゃ)で投函をする

この手紙が届くまで
ぼくはただ日々をやり過ごす
かつて愛を勝ち取った英雄たちの
祝杯のそれが浮かぶのとどちらが早いだろう
尖塔の灯りは何も照らさない
Dear Witch, via D1
これにて独立を宣言しよう

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