>> 1012
Q.エリクソンの理論、呼び方沢山あるけど何かを違いはあるの?
A.一緒の理論であると考えて問題無いと思います。呼び方が執筆者によって変わる理由としては3点考えられます。
1.翻訳
恐らく名称としては心理社会的発達理論(psychosocial development)が適切です。
ですが、外国の人名などが資料によってまちまちになるように、翻訳者によって名称が変わっている可能性があります。
2.総合的名称
今回例示して貰った中ですと、ライフサイクル論がこれに当たります。ライフサイクル論自体は同様の考えを纏める総合的な名称です。例えば生涯発達について論じている理論は全てライフサイクル論に属します。他にこれが属する理論には段階的に分割する発達段階理論、ゆっくり積み重ねる漸成的発達理論という区分が存在します。ですが、今回の場合"エリクソン"の、と数多のライフサイクル論のうち1つ指定する事で、実質的に同じ物を指しています。
3.重視する側面
これが名称がまちまちな理由として最も適切だと考えられます。自我発達理論として紹介された文献を参照しましたが、その文献の要旨は、自我の認識によって心理社会的発達理論を強化する、というものでした。つまり、エリクソンの理論のうち"自我"を重視する論説なのです。このように、心理社会的発達理論の円環的、段階的、漸成的、...等の様々な側面のうち、どの側面を論文にて取り上げるか、重要視しているかが名称に現れているのだと考えられます。
以上3点は、その他様々な理論の名称の差を考える上で共通する点ですので、覚えておくと役に立つかもしれません。
これらの情報が、理解の一助になれば幸いです。
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仲間の質問に丁寧に回答してくれてありがとうございます。
私は「3」だと思いました。内容的には投稿者に同意します。「1」についてですが、同じ用語であれば、ここまで異なる訳語を当てることはないと思います。異なった日本語名称には対応する英文があると思います。「2」については今回の投稿に対する本質的なコメントではありませんが、「生涯発達について論じている理論は全てライフサイクル論に属します」の部分に異論があります。生涯発達を扱っていても、個体の発達のみに言及し、世代間への注目がないものはライフサイクル論とは言えないと思うのです。エリクソンの理論には、たとえば「生殖性(世代継承性)」というライフタスクの一つに反映されているよう、次の世代とのかかわりが明記されています。そして続く世代も前世代と同様のサイクルを描くように、その次世代へとかかわります。
とても丁寧な説明で、質問者にとってとても有益だったのではないかと思います。
8点差し上げます。