10章 ストレスと心の病気
課題1.
コーピングについての追加情報です。
一般に、ストレス状況をコントロール可能と判断した場合には、問題焦点化型コーピングが行われ、コントロールができないと判断した場合には情動焦点化型コーピングが行われます。大竹ら(1998)は、前者について、知覚されるソーシャルサポートが高い個人ほど気分転換などの情動に関するコーピングをよく採用することを示しています。そこで、ストレス状況下において、問題焦点化型コーピングと情動焦点化型コーピングのどちらが好ましいのかと考える二者択一的な考え方ではなく、どの時点でどのような結果を目指し、それがどう健康に関わるのかという視点を持つことが大切だとされています。
教科書では、二者についての紹介がありました。しかし、使い分ける方法については記載が無かったため、追加情報としました。上記の情報を追加することで、問題焦点化型コーピングと情動焦点化型コーピングの2つについて理解が明確になることに加えて、複数のコーピングを組み合わせるという考え方ができるようになることで、課題2が考えやすくなるという点でも貢献すると考えました。
出典:佐藤達也編「心理学総合辞典 新訂版」2014,朝倉書店.
課題2.
私が体験したストレスは、冬の公共交通機関の遅延により、予定に遅刻するかもしれないと考えることです。遅刻を防ぐために「通常よりも早く起きる」ということは一つのコーピング(問題焦点化型コーピング)です。しかし、それでは朝早く起きられないかもしれないという「不安」が起こり、またストレスとなります。生じる不安を取り除くために、「起きやすい状況をつくること」はもう一つのコーピング(情動焦点化型コーピング)です。具体的には、布団から離れた場所に、音量を大きく設定したアラームを置いたり、1分おきに繰り返し鳴らしたりすることなどが考えられます。このように複数のものを組み合わせて用いることで、ストレスの解決へ繋げることができます。
課題1: 「使い分ける」という視点は有益だと思います。
課題2: 「起きやすい状況をつくること」は問題焦点化型コーピングではありませんか。
5点差し上げます。