●問題3
自己認知(3章)と自己観(9章)の自分の存在や能力を認識するというところが類似している。
自己認知とは、周りから見て、自分がどのような状態にあるのかがわかることである。自己はまず、幼児期に身体とそれ以外の視覚的環境との区別からはじまり、身体を中心に体制化される。その後、他者から見た自分を推測し、周りに合わせた適切な行動をするように自分で調整できるようになる。
自己観とは、自分はどういう人間なのかという問いに対する自分なりの答えである。自己観には、相互独立的な自己観と相互協調的な自己観がある。前者は自己を他者から分離した独自の実体と捉えるもので、後者は他者と互いに結び付いた人間関係の一部として自己を捉える考えである。この2つの自己観の認知、感情、動機づけなどの心理過程は大きく異なる。また、自己観は社会的表象であり、必ずしも個人的・認知的表象ではない。社会的表象は何らかの形で認知的表象に反映され、個人の自己スキーマや様々な自己概念などの自己認識に影響する。
したがって、自己認知と自己観はともに、自分が何であるのかを認識することである。さらに自己観を2つに分けて、自己認知との類似している点を探すと、相互独立的な自己観は、自分の身体とそれ以外を分ける幼児期から始まる自己認知である、自分と他のものは独立した存在だと認識する点が似ている。しかし、相互独立的な自己観の自分と他者との分離には、自分の身体が他のものと区別されることのほかに、自分の内面も区別されているという意味が含まれている。また、自己認知は他者から見た自分を推測した結果で自分を認識することだが、相互独立的な自己観は個人としての自分を認識することである点が対になっている。一方、相互協調的な自己観と自己認知は、他者との関係から影響されるものである点が類似している。そのため、周りの人や状況によって自分をどう捉えるのかが変化する。
出典:https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/282527/1/eda27_182.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep1953/47/4/47_480/_pdf
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