24心理学(3)

23年度「心理学(3)」投稿ページ / 1796

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K18154 2024/02/01 (木) 02:12:07 34a52@d312f

最終レポート
問題2
・ポール・エクマン
 ポール・エクマン(以後エクマン)はアメリカの心理学者であり、感情心理学の分野において幸福・怒り・悲しみ・嫌悪・驚き・恐怖からなる「基本6感情」の概念を確立させた。さらにこれらの感情が表出する際の顔の動きを記述する単位としてアクション・ユニットを定義した。基本6感情については顔面表出が文化によらず普遍的であるため、アクション・ユニットは基本的にどの国、どの地域に住む人々に対しても適用可能であり、エクマンはこれらの顔面表出のリストを用いた表情の記述システム全体をFACSと名付け、表情に関する心理学や精神医学、情報工学の分野において幅広く利用されることとなる。
 基本6感情の顔面表出は文化によらず普遍的であると前述したが、エクマンはそれを1970年代に当時非西洋文明圏であったパプアニューギニアで実験を行い、証明している。パプアニューギニアが選ばれたのは、非西洋文明圏というのみならず、他の文明にほとんど触れず孤立し石器時代の文化で暮らす人々がほかの異なる文化の人の表情から意図や感情を正しく読み取ることができれば、文化によらず普遍的であると証明できると考えたためであった。基本6感情の表情の写真と現地での感情を表す単語との照合等が行われ、結果パプアニューギニアにおいても顔写真と感情語との対応関係が確認された。この結果から、表情とは生まれ育った環境とは関係なく生まれつき備わっているものであり、その感情の時にどのような表情をするのか、逆にその表情の時にはどのような感情を持っているのかという認識のパターンは文化によらず普遍的であると主張の土台がエクマンによって作られたのである。
参考(https://www.roken-group.com/interest05.html)

・ロフタス
 エリザベス・F・ロフタスはワシントン大学の心理学の教授である。彼女は、ある日ある時間に誰に何を言われたのか、所謂エピソード記憶は図書館の本のようなものではなく、水に溶けたミルクのようなものであると言う。記憶とはフォルダの中のファイルのように整頓されたものではなく、脳内にバラバラの断片として存在しており、思い出す時にはそれらを再構築しているとのことだ。ここで問題なのは、その断片の再構築をする際に外部からの情報が混じることで思い出される事実と異なる間違った記憶が構築されてしまうということだ。ロフタスは被験者に対し自動車事故の画像を見せ、その後画像には存在しなかった「小屋」を質問に組み込み「小屋を過ぎたとき車はどの程度のスピードだったか」と問う実験を行った。結果として存在しなかった小屋があったと証言する被験者が多数出現したわけであるが、これも自動車事故の画像という記憶を断片から再構築しようとした段階で質問者の「小屋」という発言により被験者自身が見たことのある小屋の記憶が混じってしまった結果だと言える。
彼女はこのような記憶の歪みに関して法的ケースに関連付けた研究も行っており、その例として「事後情報パラダイム」と「豊かな虚偽記憶パラダイム」と呼ばれる二つのケースを取り上げる。事後情報パラダイムとは、犯罪が実際に起きて、それに伴って人々の記憶が歪むケースの研究であり、豊かな虚偽記憶パラダイムとは起こらなかった出来事をゼロから作り上げてしまうケースの研究である。後者のケースの場合、無実の人間が実際にはやっていない行為によって告訴されてしまうことが起こりえます。これらの研究は事件や事故の際、証言が正しいのか誤っているのかを判断するうえで非常に意義のあるものであり、冤罪の件数を減らすことにも大きく貢献できる。
参考(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlawpsychology/12/1/12_KJ00008995149/_pdf/-char/ja)
 

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