第7章
課題1 シナプスの刈り込みについての補足
神経回路が整備されていく際、ニューロン間の信号伝達に寄与したシナプスはより強固になり、寄与しないシナプスは弱体化したり消えるというメカニズムが働いており、それをシナプス競合と呼ぶ。たとえば、何らかの経験により特定の刺激が脳に入ることで、あるニューロンに発火が発生し、それが次のニューロンのシナプスへ到着したとする。その信号を受け取ったニューロンがそこで発火すれば、信号は伝達されたことになり、伝達に役立ったそのシナプスは強化され、その後同様の信号はより伝達されやすくなる。逆に、信号が到着してもそれを受け取ったニューロンが無反応だったり、あるいは、信号が到着しないにもかかわらず次のニューロンが発火したりすると、それらのシナプスは信号伝達には寄与しなかったことになり、弱化したり死滅することで、同様の信号はもはや伝達されなくなる。
出典:櫻井芳雄(2015)発達科学ハンドブック第8巻 脳の発達科学,新曜社
補足した理由として、教科書ではシナプスの刈り込みについて、目的や時期について述べているものの、刈り込まれるシナプスをどのような基準で選んでいるのか述べていなかったため、シナプスの刈り込みは信号伝達に寄与しているか否かが基準となり発生すると説明しているシナプス競合についての情報を追加することで、教科書を理解する助けになると考えたから。
課題2
コールバーグの道徳性発達理論を紹介する。
コールバーグは、人の道徳性は段階を経て発達すると考え、道徳性は以下の3つの水準と6つの段階を持つとした。
前習慣的水準(人生の最初の約9年間)
(1)罰の回避と服従の段階
(2)相対主義的な利益を志向する段階
習慣的水準(思春期〜青年期の初め)
(3)同調し「よい子」を志向する段階
(4)既存の法と秩序そのものを尊重する段階
脱習慣的水準(個人の内部に、善悪の判断基準が形成される段階)
(5)合意や契約によって変更可能なものとして法や秩序を遵守する段階
(6)一人ひとりの人間の尊厳の尊重といった普遍的倫理原則を志向する段階
この考え方は、人の発達を段階によって分けているという点で、1つひとつの発達段階という階段を上っていくことこそが発達であるとする右肩上がりの発達観に該当すると考えた。
課題1: この説明はあってもいいですね。「神経心理学」の章で触れてあってもよい内容かと思いました。
引用元は櫻井芳雄さんがすべて書いた書籍ですか。そうでないなら(分担執筆ならば)櫻井さんが書いた部分のペ字数を書かないといけないです。辞典、事典のようなものであれば別ですが。
課題2: はい、その通りです。教科書に似ている発達論がありましたね。それとの関連はわかりませんでしたか。
7点差し上げます。