小さいころから、ママが持っていたポケモンについての本はたくさん読んできた。だから、タイプ同士の相性も、完璧に覚えているーー新しく分類されたフェアリータイプだって、ばっちりだ。
今からやる勝負にしたって、負けない……とまでは言えないが、そう簡単に負けるつもりはない。
「今からマリン対ラグナのポケモンバトルを始める!」
スイセンさんが大袈裟にそういい、私たちはモンスターボールを手に取った。
「ふぅ……頑張って、アオクマ!」
「いけっ、ヒガルー!」
モンスターボールを投げると閃光と共にポケモンが現れる。
私はすぐに指示を出した。
「アオクマ、たいあたり!」
「オク、マー!」
可愛らしく鳴き声をあげて、ラグナのヒガルー目掛けて体当たりをするアオクマーーふとラグナの方に目をやると、
「ん……」
黙ったままそこに立っていた。
お互い初めての勝負だが、やはり私の方が知識の面で勝っているようだ。そしてそれは、勝利に直結する。
間もなく、アオクマとヒガルーが衝突した。
「ヒガっ!」
ヒガルーが後ろによろけた。私はそのチャンスを逃さなかったーー
「もう一度、たいあたり!」
はずだった。
「爪を立てろ!」
私が指示を言い終わる直前、ラグナはそう叫んだ。
しまった……爪をただ立てるだけなら、当然たいあたりよりも早く行動ができる。つまり、アオクマのたいあたりを利用した『擬似ひっかく』を繰り出す作戦だ。
「マー!」
二匹とも反動で後退するーーまんまと嵌められた、のだろうか。
いや、しかし。
「ここからならーーまだ勝てる!」
私の言葉に応じるかのように、アオクマもまた元気な声をあげた。
「ヒガルー、なきごえ!」
「ひっがぁぁぁぁぁぅ」
と、先程までよりもずっと可愛らしくなった鳴き声が、ヒガルーから発せられた。
「こっちはたいあたりよ!」
アオクマが、今度は爪を立てる余暇を与えずに攻撃した。
「……っ」
明らかに、今の攻撃ではヒガルーに大したダメージが入っていないことが、見て取れたーーなきごえだ。
「ヒガルー、三歩下がって」
そのまま反撃がくるかと思いきや、むしろ退くよう、ラグナは指示を出した。
なめられているのだろうか。
「反撃してこないって言うのなら……こっちからいくよ!アオクマ、たいあたり!」
アオクマがヒガルーとの距離を縮めていくーー






