夢の跡地 ポケモンスーノ・ルーノ制作所

ポケットモンスター スーノ・ルーノ 小説版 / 2

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 朝食を食べ終え、玄関でマリンと並んで靴紐を結ぶ。
「なんか、本当に旅に出るんだな」
「当たり前でしょ。……いや、気持ちは分かるけどさ」
 母さんは、朝食を食べ終えたあと、「じゃ、頑張ってね。応援してるわよ」と一言だけ言って、二階へと上がって行った。
 あっけらかんとしているというかーーまあ、そのほうが気楽でいいが。
 旅立ちに悲しみの別れはいらない。
 僕は外に出るーーマリンがそれに続いた。
「あっつ……本当に朝なの?」
 マリンが顔を歪めて言った。
「おひさまからお祝いの日差しだよ」
「これ以上無く暑苦しいね」
 僕の適当な受け答えに、マリンも適当な答え方をする。
 家からおよそ三分ほど歩き、着いたそこは、研究所だ。
「おはようございまーす」
 鍵がかかっている様子はなく、僕はドアを手前に引き、中に入る。マリンがそれに続く。
「え?ん、ああ……君たちか。おはよう。ひょっとして、いい朝だったりするのかな」
 ジャスミン博士は、本当に『おはよう』みたいな感じだったーーきっと仮眠か何かをとっていたのだろう。
 『博士』という肩書きを持っている割には、白衣の一つも着ているところを見せないジャスミン博士だがーーしかし実のところ彼女はすごく研究熱心で、多忙なのだ。
「さて、それじゃあ早速ポケモンを渡そうかな」
 欠伸をしながらそういって、ジャスミン博士は机の引き出しからモンスターボールを三つつかんだ。……研究職の人って、もっと大事にものをあつかうものだと思ってた。
 それから、
「ほれ、二人。キャッチ!」
 こちらに向けて、ディスクシューターのように水平になにかを投げてきたーーアルティメットよろしくつかんでみると、果たしてそれはポケモン図鑑であった。
「っちょ、精密機械なんだから、大事に扱わないとなんじゃ……」
 僕が多少の怒りを混ぜてそういうと、
「まあまあ。ポケモンの自動認識機能以外は、ただの記録装置だよ。HDDとなんら変わりはないさ」
 悪びれる素振りも見せず、そういうのだったーーいや、だからそういう問題ではない。
「さあ、出てこい、新たなる旅立ちのパートナーたち!」
 博士は、モンスターボールの中から、ポケモンを出した。
「んじゃ、二人共、図鑑のレンズ部分をポケモンに向けてみて」
 言われたとおりにしてみると、図鑑が自動で起動したーーどうやら、ポケモンを認識した時点で、図鑑機能が起動するらしい。
「おお……」
 マリンが感慨の声をもらす。
 左端の緑色のポケモンにレンズを向ける。図鑑に、そのポケモンの説明が表示されるーーどうやらこのポケモンは、キキウィという名前で、草タイプのポケモンであるらしい。
 その隣にいるポケモンは、ヒガルーという炎タイプのポケモンで、もっとも右にいるのがアオクマという水タイプのポケモンだった。
「草、炎、水……綺麗な三竦みですね」
 マリンがそういった。
「だろう?ただ、その中から二人で、一匹ずつ選ぶんだーーこれが、つまりどういうことか、分かるかい?」
 にやりとして、博士は言った。だから、彼女が言いたいのはこういうことなのだろうーー三竦みであるこの三匹の中から、二匹だけ選ぶと、どちらかが有利に、そしてどちらかが不利になってしまうのだった。

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