夢の跡地 ポケモンスーノ・ルーノ制作所

ポケットモンスター スーノ・ルーノ 小説版 / 3

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「ええと、博士の性格の悪さがよく分かりますよ」
 割と冗談ぬきにそう言ったのだが、当人は気にすることもないようで、あはは、と愉快そうに(あるいは無邪気に)笑った。
「ただ、実際のところ、この三匹のポケモンは君たち初心者トレーナーには、おあつらえのポケモンたちなのだよ」
 しゃがみこんでアオクマの頭を撫でながら、博士は言う。
「と、言うと?」
「私はポケモン研究の分野についてはーー有名どころではジョウト地方のウツギ博士なんかはポケモンの繁殖について専門的に研究していたりするのだがーーオールマイティなところがある」
「はあ。それで?」マリンが答えた。
「中でも、私が好んでいるのは、ポケモンの学習機能についての研究だ」
「学習機能?」
「そ。無論、ポケモンとひとくくりに言っても、多数に種類はいるから、その種族ごとに学習機能のよしあしは異なるが……例えば、カロスで有名なサイホーンレース。あれのサイホーンというポケモンは、言ってしまえばかーなーり、頭が悪い」
「悪いほうで例えるんですか」
「反面教師……とは、全然違うが、しかしそこにいる三匹」
 博士は、左手の人差し指から順に三本の指で、ポケモンたちを指す(右手には、いつも一冊、本を抱えている。座右の書という奴なのだろうか?)。
「とても賢いのさ、このキキウィ、ヒガルー、アオクマという種族のポケモンはーーあまり私に懐かないよう、二週間前にタマゴを孵したばかりだが、しかし学習量を100段階で表すなら、既に5だ」
「単位が大きすぎて、すごいのかすごくないんだか……」マリンが苦笑とともに言う。
「何を言う。君たちで考えてみたまえ。例え100年間学習する為の時間があったとして、まだ君たちはそのうちの10年しか生きてないだろう」
 ジャスミン博士は、立ち上がって言う。
「ものによっては、ポケモンとは私たち人間なんかよりも、ずっとずっと知能において優れているんだ!これは、新たな何かへの可能性だと、私は考えるーー知っているかい?カントーには、喋ることのできるニャースがいるそうだ。ただ、代わりに『ねこにこばん』という技が使えないそうだが……しかし、これはある種の進化といって差し支えないだろう?実に素晴らしい!」
 熱く語った博士は、その後に一つ咳をして、そして言った。
「さ。君たちで、ポケモンを選びたまえ。私が干渉する必要はないだろう。するのは、観賞だけで十分だ」
 二人とも決まったら、私を呼びたまえ。博士は言う。
「私も忙しいんだ。……こっちゃーん!研究資料のデータベース化はーー」
 そうして、ジャスミン博士は別の部屋に入っていった。
「さて……どうする?」
 僕は後ろに振り返って言った。
「ラグナが先に選んでいいよ」
「さては僕の選択を見て有利なものを選ぶという魂胆だな。見え見えだぞ」
「あははっ。だってアンタに負けるとささやかな自尊心が傷つきそうだし」
「ひでぇ言い訳だな……弁もとれてねえよ。ま、いいさ。たとえ不利でも、勝ってみせるから」
「言うねえ」
 僕は何となく、直感で前に出ーーそして、真ん中にいる一匹のポケモンに手を差し出す。
「今日からお前は僕の相棒だ。よろしくな!」
 意を汲んだのか否か、ヒガルーは可愛らしい、しかしそれでいて強さを感じる鳴き声をあげた。
「ふふん。よかったよかった。実は私、このアオクマが良かったんだよね」
 マリンはアオクマを抱きかかえた。
「博士ー!終わりましたよー!」
 二人で声をそろえてそういうと、ドアの向こうから「もう?まったく……早いな。出来ればもう少し、迷ってて貰いたかった」と、ジャスミン博士の声がした。

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