多分、長野県で最も独特な雰囲気を醸し出す
大会は高校選手権だと私(丸山)は思っている
それはまるで夏の高校野球を連想する程に
今回は、それを裏付けるとまでは言わないが
いかにも高校選手権の空気が成せる業と
言いたい、2つの戦いを紹介したいと思う
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多分、長野県で最も独特な雰囲気を醸し出す
大会は高校選手権だと私(丸山)は思っている
それはまるで夏の高校野球を連想する程に
今回は、それを裏付けるとまでは言わないが
いかにも高校選手権の空気が成せる業と
言いたい、2つの戦いを紹介したいと思う
・21年振りの戴冠をもたらした
26年前のリメイク
今回の高校男子団体戦を制したのは野沢北
これが3度目の全国切符であった
相手の大将の痛恨の逸機を見逃さず逆転で
優勝を勝ち取って以来21年振りの
返り咲きであった。
だが今回の優勝までの道のりは初優勝を
飾った26年前に似ていた。その共通点
とは決勝戦を戦った相手校のチーム編成だ
今回、野沢北と決勝で当たった上田の
チーム編成は1年生選手を大将に座り
残り2名を3年生選手で固めたモノ
それは何とも皮肉な事に26年前に
同じく野沢北と決勝で対決した長野と
全く同じ構成であった
あの時の長野の1年生大将も今の上田の
1年生大将と同じく小学生の頃から
名の知れた若き強者であった。
いや小学生時代の実績に限定すれば
長野の1年生大将の方が上だった
その実力を遺憾無く発揮して団体戦全勝
大将の責任を果たした所も、これで
野沢北が窮地に立たされた所も同じだった
しかし最後の共通点が野沢北に歓喜を呼ぶ
副将と三将が懸命の頑張りを見せて
相手の精鋭3年生から白星をもぎ取った
26年前に母校を初優勝に導いた先輩達を
彷彿とさせる粘りで逆転優勝を達成した
野沢北であった
・奇跡的な連続リベンジ劇
男子個人戦を制した山口未来くん
その足跡を、特に準々決勝からのそれを
見ると私(丸山)は唖然とするしかなかった
準々決勝=VS島村勇充戦
準決勝=VS関和真戦
決勝戦=VS仁科拓人戦
何と、この3選手は、それまでの高校大会で
所謂「決定戦」と名のつく戦いで
山口くんと激突、全て山口くんが敗北を
喫した相手ばかりであった
島村くんには高校竜王戦中南信代表決定戦で
関くんには前年の高校選手権の3位決定戦で
仁科くんには高校新人戦の県代表決定戦で
いずれも山口くんは苦杯を舐めたのであった
これに発奮したのであろう。山口くんは
これまで以上に気合いを入れて研鑽した
ようで県朝日アマ名人戦では高校選手権の
これまた県代表決定戦で敗れた相手である
小林暖希くんを倒す。
これもこれで大きな雪辱劇であったが
彼の雪辱は、この後が本番であり圧巻だった
それが今回のメイクリベンジドラマだった
今回の高校選手権では神のお膳立て
としか思えない大舞台で一辺に借りを返して
長野県高校棋界の頂点に立った山口くん
本人の努力と神様のイタズラが偶然合致した
壮大な雪辱劇であり優勝ロードであった
最近の学生大会での伝説的名勝負と言えば
岡村奏汰アマ名人VS北信少年団による
小学生大会の戦いを思い浮かべる私(丸山)
なのだが、やはり高校生の戦い。特に
選手権の戦いの方に感情が移入する。
今回も含め今までも数多くのドラマを
作り上げた高校選手権、これからも
喜怒哀楽が激しく交差され数多くの
名勝負が、そして思わぬ奇跡的な現象を
見せ続けるであろう。
(完)
次回は2025長野県アマ竜王戦を
振り返りたいと思います