憲法第9条・・関連
見出し・・・「9条の危機、運動で守るしかない」憲法学者が講演 福岡で集い
憲法記念日の3日、福岡県久留米市諏訪野町のえーるピア久留米で、市民グループでつくる実行委員会が「5・3憲法を考える集い」を開いた。約170人が参加し、東京慈恵会医科大の小沢隆一名誉教授(憲法学)の講演を通して、護憲の立場から憲法の過去や未来を考えた。
小沢さんは2020年、菅義偉首相(当時)に日本学術会議の会員任命を拒否された6人のうちの1人。実行委は、国会で憲法改正に前向きな勢力が増えた現状を踏まえ、例年にもまして重要な憲法記念日だと判断し、小沢さんに講師を依頼したという。
小沢さんは「時代に挑む日本国憲法―戦争と平和の80年から未来を展望する」と題して講演した。冒頭で「憲法9条は戦後最大の危機。(市民)運動で憲法を守るしかない」と語り、憲法の歴史をひもときながら解説した。
9条が生まれた背景の一つとして、武力ではなく平和的な手段で紛争を解決するとした国連憲章を挙げ、「世界全体が紛争をしない、戦争をしないと決めたんだったら軍隊を持たなくていいよね、という理屈だった」との見方を示した。
イラン情勢にも言及し、「自衛隊がホルムズ海峡に行っていないのは9条のおかげ」と指摘。そのうえで「効き目があることを知れば知るほど、9条はまだ死んでいない、生きているということだと思う」と述べた。
50年に起きた朝鮮戦争で国際情勢が大きく変わったことや52年発効のサンフランシスコ講和条約、60年の日米安全保障条約の改定、2015年成立の安保法制など9条をめぐる様々な動きを解説した。
また、9条だけでなく「日本国憲法は読めば読むほど『ああよくできている憲法だな』と思う」と述べ、思想・良心の自由を保障した19条などにも触れた。
質疑応答では参加者と小沢さんの間で活発なやりとりが続いた。最後に実行委員長で弁護士の吉田星一さんが「憲法9条があって本当に良かった。9条を生かすために考えて行動していけたらいいなと思います」とあいさつした。