シータ「はあ、これから私文は…。私以外に、烏合の衆をまとめられる人間がいますか?不寛容に、寛容は寛容でいられないんだよ」
あんみつの隙を突き、シータは鋭く足を振り抜いて矢を弾き飛ばした。身長180センチの長い脚が、音を立ててあんみつの武器を逸らす。驚いたあんみつは弓を放り捨てると、右拳をシータの顎へと振り上げた。
――だが、シータは片手で拳を受け止め、そのまま相手の手首を縛りあげる。
シータ「いい加減大人になったらどうです?楽しいザワッターに、楽しくないやつはいらないんだよ。シャンてぇあも木偶の坊も御ハッサムも──愚かな連中を一掃して、ようやく俺の“民主ザワッター”は完成するんだよ」
あんみつ「...ただの独善だ」
シータ「なら、愚民ども全員に、今すぐ叡智を授けてみせろ!」
あんみつ「お前を殺ってから、そうさせてもらう!」
跳び上がり、一瞬のスキを突いてシータの顎に飛び蹴りを叩き込む。
しかし、シータは肩で衝撃を受け止めると、たおやかな重心移動から振り上げた回し蹴りを、あんみつの腹へとお返しする。
あんみつ「っ──!」
56キロの身体は宙を舞い、窓ガラスに叩きつけられる。鋭い音とともに、ガラスに亀裂が走った。
シータは無言のまま、脚を高く掲げる。
シータ「とどめ――」
鋭い踵落としはそのままあんみつの内蔵を破裂させた。あんみつは血を吐きながらもなお、朦朧とした意識の中でシータの脚をかろうじて掴む。
シータ「──離せ」
あんみつは背後へ体重をかけ、最後の力を振り絞る。支えを失った窓ガラスが大きく砕け散り、二人はビルの外へと落下した。
──暗い空に、凍りついたままのシータの悲鳴だけが、ビル街の夜にこだました。
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