ダルマ太郎
shumi
2023/09/29 (金) 15:12:49
経典をスラスラと読み、意味を理解できる人はわずかでしょう。漢字ばかりの真読はふりがながついていないと読むことも困難です。漢字と仮名まじりの文語文に書きなおした訓読の場合は、真読よりは分かりやすいものの、単語・熟語が漢字だし、サンスクリットの音写も多いので、仏教用語辞典がなければ歯が立ちません。
経典は、方便・譬喩・因縁・言辞を駆使して説かれていますので、経典を読めたとしても真意を掴むには知識と智慧が必要です。よって、経典を理解するためには、論書や釈書の助けが必要です。論書は、インドの高僧によって解説された書であり、釈書は、中国や日本の高僧によって解釈された書です。
法華経の場合、論書は、世親作の『妙法蓮華経優婆提舎』(法華論)しかありません。法華経全巻を論じているのではなく、序品と方便品の二品だけを解説しています。内容は、かなり難しいです。釈書は、天台大師智顗の『法華文句』『法華玄義』『摩訶止観』、聖徳太子の『法華義疏』、日蓮の『御書』があります。しかし、天台大師智顗の解釈は中国仏教であり、日蓮の解釈は日本仏教なので、インド思想の法華経とは異なりますから注意が必要です。あくまでも参考として読むのであればいいのですが、法華経そのものを読まずにそれらの釈書に頼るのは本末転倒です。天台宗や日蓮系の宗派・教団であればそれでもいいのでしょうが、法華経を知りたければ法華経そのものを読むのがいいです。
残念ながら、インドの法華経を的確に解釈したものがありませんので、自分自身で紐解いていくしかありません・・・
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