第七の功徳 賞封不思議力
善男子、第七に是の経の不可思議の功徳力とは、若し善男子・善女人、仏の在世若しは滅度の後に於て、是の経を聞くことを得て、歓喜し信楽し希有の心を生じ、受持し読誦し書写し解説し説の如く修行し、菩提心を発し、諸の善根を起し、大悲の意を興して、一切の苦悩の衆生を度せんと欲せば、未だ六波羅蜜を修行することを得ずと雖も、六波羅蜜自然に在前し、即ち是の身に於て無生法忍を得、生死・煩悩一時に断壊して菩薩の第七の地に昇らん。
譬えば健やかなる人の王の為に怨を除くに、怨既に滅し已りなば王大に歓喜して、賞賜するに半国の封悉く以て之を与えんが如く、持経の善男子・善女人も亦復是の如し。諸の行人に於て最も為れ勇健なり。六度の法宝求めざるに自ら至ることを得たり。生死の怨敵自然に散壊し、無生忍の半仏国の宝を証し、封の賞あって安楽ならん。善男子、是れを是の経の第七の功徳不思議の力と名く。
【第七の功徳】 日々の行動が自然と『六波羅蜜』の通りになり、人生苦から解放・・・
「『第七の功徳』は、その人が仏の教えを聞いて喜びを覚え、さらに仏の教えを強く求める心を起こしたならば、『五種法師の行』を修することができ、その結果、最高の悟りを求める決意を立てるようになります。そして様々な善行を行うようになり、そればかりか人の不幸を取り除き、苦しみ悩む全ての人を救う願いを持つようになります。その人は未だ六波羅蜜を完全に修めていなくても、自然と『六波羅蜜』を完成したようになります。そして、娑婆世界に生きる凡夫の身でありながらも、目の前の現象に引きずられて苦しむことはなくなり、煩悩を断つことが出来るようになります。さらに菩薩の高い境地を得ることができ、それによって多くの人々と『自他一体』になる境地を得ます。譬えば、全ての敵をことごとく打ち払った最高の勇士に対して、国王は大いに喜び、国土の半分の領地を褒美として与えるのと同じで、教えの実践者は自然と『六波羅蜜』を身につけることができ、しかも成仏するための半分の功徳にあたる『無生法忍・むしょうぼうにん』という境地を自得するようになります。そして結果的に、悟りを得ることになり、安楽に過ごすことができるようになります」