菩薩の領解
時に大荘厳菩薩摩訶薩及び八万の菩薩摩訶薩、声を同じゅうして仏に白して言さく、世尊、仏の所説の如き甚深微妙無上大乗無量義経は、文理真正に、尊にして過上なし。三世の諸仏の共に守護したもう所、衆魔群道、得入することあることなく、一切の邪見生死に壊敗せられず。是の故に此の経は乃ち是の如き十の功徳不思議の力います。
その時、大荘厳菩薩及び八万の菩薩たちが、口をそろえて世尊に申し上げました。「世尊よ。世尊がお説きになった、深淵な教えである『無量義経』は、この上な尊く、真実そのものです。ですから、この教えの通り修行している限り、三世(過去・現在・未来)の諸仏が守護してくださり、どのような邪魔ものにも妨害されることはなく、間違った考えや、人生の様々な『変化』に遭遇しても動揺し、挫け、打ち負かされることはありません。この教えに十の不可思議な功徳があることも、よく解らせていただきました」。
重ねて時会の得益を讃える
大に無量の一切衆生を饒益し、一切の諸の菩薩摩訶薩をして各無量義三昧を得、或は百千陀羅尼門を得せしめ、或は菩薩の諸地・諸忍を得、或は縁覚・羅漢の四道果の証を得せしめたもう。世尊慈愍して快く我等が為に是の如き法を説いて、我をして大に法利を獲せしめたもう。甚だ為れ奇特に未曾有也。世尊の慈恩実に報ずべきこと難し。
「この教えはあらゆる人々に余すところなく利益を与え、素晴らしい境地に至らしめるものです。尊いみ教えをいただき、こんな有難い経験をしたことはこれまでにございません。尊く素晴らしい教えをお説きくださった世尊の深いお慈悲に、私どもはどのようにしてお報いしてよいかわからないくらい、深く感謝申し上げます。誠に世尊は、広大無辺な慈恩のお方であられます」
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