空について
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空とは、
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空とは、もともと「欠如」の意味でしたが、大乗仏教で「実体の欠如」という意味で使われるようになりました。これは、上座部の
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般若心経
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大乗仏教徒は、空の理を弘めるために、多くの般若経を
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「色即是空。空即是色」という言葉は、ほとんどの人が聞いたことがあると思います。でも、意味を知っている人はわずかです。二万五千頌般若経を読みもせずに解釈している人が多いために、自分勝手な解釈をしています。空を霊界だと解釈したり、エネルギーだと解釈したり。実体が無い、という意味から離れてしまっています。霊界にせよ、エネルギーにせよ、そのような名で呼ばれているのであれば、それは空の事ではありません。空は、絶対的に認識の対象にはなりませんから、名前を付けることはできません。「空」というのも仮であり、空もまた空です。サンスクリット原文では、「色即是空。空即是色」は次のように表されます。
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yad rūpaṃ sā śūnyatā
ya śūnyatā tad rūpaṃ
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物質、それは空である
空、それは物質である
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物質は、因縁によって仮に有りますので、実体は有りません。空です。空とは、実体のないことなので、固定化することはありません。よって、さまざまな物質として生起することができます。「リンゴはリンゴではありません。よってリンゴといいます」という文章は変です。これは、「リンゴにはリンゴという実体は無い。よってリンゴという名も無い。人が便宜上、仮にリンゴという名をつけ、共有し、使っているに過ぎない。リンゴには、固定した名が無いから、仮の名をつけることができる」。よって、物質に実体が有れば、それは固定して存在し続けるので、変化することはありません。種はずっと種だし、実はずっと実のままです。物質が固定化せず、変化し続けるのは、物質が空だからです。
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無我や空は、日本人の概念にはありませんから、新しい思想だとして受け入れるしかありません。自分の考えだけで定義できるような内容ではありません。「色即是空。空即是色」という言葉だけを切り取って考えれば迷走します。ちゃんと全文を読んでから吟味しましょう。般若心経には、「舎利子。色不異空。空不異色。色即是空。空即是色。受想行識亦復如是。」というように、
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空について
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