仏教のお話

Rの会:方便品第二(前半) / 7

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ダルマ太郎 2024/04/27 (土) 20:39:22 修正

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釈尊の二智を讚歎する
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経:舎利弗。吾、成仏してより已来、種々の因縁・種々の譬諭をもって、広く言教を演べ、無数の方便をもって、衆生を引導して諸の著を離れしむ。所以は何ん。如来は方便・知見波羅蜜皆すでに具足せり。舎利弗。如来の知見は広大深遠なり。無量・無碍・力・無所畏・禅定・解脱・三昧あって深く無際に入り、一切未曾有の法を成就せり。
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R訳:舎利弗よ。私が悟りを得てから今日まで、様々な過去の事例や譬えを用いて法を説いてきました。それは人々を『執着』の苦悩から離れさせるためのものであって、なぜそれが出来たのかというと、それは私が、『方便』と『智慧』の両方を完全に具えているから可能であったのです。舎利弗よ。仏の『智慧』は非常に広大で奥深いものです。仏は宇宙全体のあらゆるものごとを知り尽くし、遠い過去からはるか未来のことまでを見通しています。そればかりか、『慈・悲・喜・捨』の『四無量心』という人々に福を与える大徳を具えています。そして何事にもとらわれない『完全なる自由自在』な『四無碍』の境地を得ています。そして、何者に対しても恐れずに法を説くことができる『四無畏』という徳力も具えています。心は散乱することなく完全に『苦』から抜け出して解放されており、今まで誰も知ることができなかった『真理』を完璧に悟っているのです。
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太郎訳:シャーリプトラよ。私は、成仏してからこれまで、様々な過去の実例や体験談、様々な譬え話によって、広く人々のために教えを説き、無数の方便の教えによって、人々を仏道に導いて執着の心を離れさせてきました。なぜ、そのようなことが出来たのかというと如来は、方便と智慧を完成させているからです。シャーリプトラ。如来の智慧は、広く、大きく、深遠です。人々への慈悲の心は無量であり、自由自在です。人々を救うための智力があり、畏れがなく、禅定の境地、解脱の境地、三昧の境地にあって、深く無分別の境地に入っており、これまでの人類が達していない最高の真理を得ました。
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太郎論:最初に諸仏の二智(智慧と方便)を讃嘆し、次に釈尊の二智を讃嘆しています。諸仏がそうであったように、釈尊も人々を真理へと導くために、方便を用いたことが説かれています。因縁とは、関係のことです。主に仏陀と弟子との過去の関係・出来事を通して、真理へと導く方法です。譬諭とは、たとえ話によって真理へと導く方法です。釈尊は、これまで、これらの方便を用いて、人々を執着から離れさせてきました。それが出来たのは、釈尊が、方便波羅蜜・智慧波羅蜜を具えているからです。
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法華経では、弟子たちの持つ様々な執着を指摘し、執着から離れるように導いています。それは、「声聞は成仏できないこと」「悪人は成仏できないこと」「女性は成仏できないこと」などです。
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般若経では、六波羅蜜が説かれましたが、法華経では、十波羅蜜が説かれています。十波羅蜜という言葉は出てきませんが、それぞれの項目については説かれています。それは、六波羅蜜に「方便・願・力・智」という波羅蜜を加えたものです。
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釈尊の二智を讚歎する
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