~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

天台智顗の『觀無量壽佛經疏』の研究 / 60

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法介 2025/09/08 (月) 06:01:26

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十六観法四分八識四教の位相十如是の側面意味づけ
第1観(日想観)〜第6観(依報観)前五識+第六意識(相分・見分)蔵教(有を対象化し空を観ずる)如是相・如是性依報の相を観じ、「色即是空」の入口
第7観(仏像観)第六意識〜末那識(相分)通教如是体仏を縁とする「体」の観法
第8観(仏身観)末那識(見分)通教〜別教如是力仏身に働く力を観じる
第9観(真身観)末那識(自証分)別教如是因仏の因行を観じる
第10観(観音観)末那識(証自証分)別教如是縁菩薩を縁として仏智を起こす
第11観(勢至観)末那識(証自証分)別教如是果菩薩を通して仏果を示す
第12観(三尊観)末那識〜阿頼耶識(相分)別教〜円教如是報主客の一如 → 仏果の報徳を観ずる
第13観(雑想観=光明観)阿頼耶識(見分)円教萌芽如是本末究竟等(兆し)光明遍照=中道の一理を映す
第14観〜第16観(九品往生観)阿頼耶識(自証分・証自証分)円教十如是総合(如是本末究竟等)三界のすべてが即中道 → 常寂光土顕現

整理すると

  • 依報観(第1〜6観)
     相(現象)→性(本質)を観じ、「色即是空」を理解する段階。
     =蔵教レベル、前五識・第六意識レベル。

  • 正報観(第7〜13観)
     仏相→仏身→因→縁→果→報、と「七如是」を順々に展開する流れ。
     =通教〜別教レベル、末那識レベル。
     ここで「空即是色」へと開かれる。

  • 散善観(第14〜16観)
     九品往生において「因果同時・因果倶体」が明らかになる。
     =円教レベル、阿頼耶識レベル。
     ここで 十如是が総合され、本末究竟等=常寂光土 が顕れる。


一言まとめ

智顗が『観経疏』で示した十六観法の階梯は、
単なる「阿弥陀の観法」ではなく、

  • 十如是を段階的に体得させるための方便
  • 四分八識の浄化過程をシナリオ化した観法
  • 四教の進展(蔵→通→別→円)の実演

として読める。

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