中学三年の夏
リビングのドアを開けた先で
何かを慌てて隠した母
手紙をね
問われもしないのに
手紙をね 毎月書いたんだ
岸壁に建つ鳥居が水面へ影を落としている
返事は滅多に来ないけど
お前が無事生まれたのは教えて貰えた
写真が欲しかったんだがな
病院らしい建物の方からチャイムの響き
あれが三回鳴るまでに戻らなきゃ
風が木々を渡り花を水面へ散らしてゆく
じゃあ、写真を撮ろう
と、スマートフォンを祖父へ向ける
この島では春が早く通り過ぎていくみたい
気がつけば参道の両側は雨のような花吹雪
蜂蜜のような陽差しに影は濃く、笑顔は淡い
送信先が空白のまま、画面を消した
桜がぜんぶ散り切ったら、
私たちにはそれぞれ新しい名前がつく
この海を渡ったことなんて、まるでなかったかのように
生徒と先生じゃなくなる日か
患者と先生じゃなくなる日
そんなものがぼくらにも来るだろうか
通報 ...
>じゃあ、写真を撮ろう
↓
>じゃあ、いま写真を撮ろうよ
かな。すいません細かくて。
(推敲大事ですね)
あ、その方がいいですね!