「0章 計量心理学の課題」
1.目に見えるものとして、平常時と恋愛として好きな相手といるときなどの心拍数の変動と、何時間のうち何分間、相手のことを見ているか、またその見ている理由をもとに恋愛感情を抱いているかを測定できると考えた。
なぜなら、心拍数は平常時と比べて、好きな人が近くにいるときや、好きな人の話が出たときに高くなると考えたからだ。心拍数の変動を記録することで、好きな人に対して動揺しているのかがわかる。さらに、ある人を見続けるという行為は、その人に少なからず興味があることを表すと思ったからだ。
2.①Aさんに事実とは異なった実験の意図を伝え、落ち着いた状態のAさんの心拍数を測る。※Aさん以外は、本当の実験の意図を知っている。
②Aさんに1時間程度、Aさんの知っている人、知らない人、Aさんの好きな人であろうBさんのいる部屋に入ってもらう。そこで、Aさんが1時間のうち、何分程度Bさんを見ているのかをあとで計測するために、Aさんに気づかれないよう、カメラでその様子を撮影する。
③1時間たった後、「一人ひとり、個室で計測する」と、全体に伝え、Aさんを個室に呼び出し、心拍数を測る。
④次に、②のカメラで撮影した部屋の様子の動画をAさんに見せる。そして、「あなたは1時間のうち、〇分もBさんのことを見ているのですが、どうしてでしょうか」と尋ね、Aさんが顔を赤くしていないか、焦っていないかをよく観察する。もう一度、心拍数を測る。測った後、「もしかして、あなたはBさんに恋愛感情を抱いているのではないのですか」と聞く。「はい」と答えたら、一旦抱いていることにする。「はい」でも違う場合、「いいえ」でも抱いている場合、「いいえ」で抱いていない場合がある。
⑤答えてもらったら、「このあとは、指定した部屋に行ってください」といい、Aさんに指定した部屋に行ってもらう。その部屋にはBさんだけがいる。
⑥BさんがAさんに話しかけ、15分間雑談する。その後、二人のいる部屋に入り、二人の心拍数を計測する。※Bさんの心拍数は記録しない
⑦最後に「実験は以上です」といい、二人に帰るよう促す。二人きりで帰らせるために、他の人たちと帰る時間が被らないようにする。Bさんは、Aさんに一緒に帰ろうと誘う。
⑧帰り道、Bさんは音声を記録しながら、しばらくAさんと話を続け、自然な感じで「実はAさんのことが恋愛的に好きだ」と噓をつく。そのとき、Aさんが「自分はBさんのことが好きだ」といったら、AさんはBさんに恋愛感情を抱いているとみなす。もしAさんが言葉にしなかったら、表情や態度をBさんが観察する。
⑨次の日、帰り道のAさんの様子を、音声の記録とともに、Bさんから教えてもらう。その後、昨日測ったAさんの心拍数の変動を折れ線グラフにする。AさんがBさんに恋愛感情を抱いている場合、平常時よりも、特に④と⑥が高くなる。③が④にかけて、大きく変動する。
問題1: 「心拍数」はいい指標だと思いますが、複数の心的状態を反映してしまう可能性があるので、「見続ける」という行動を付加することで、複数の指標を併用するのはよいと思います。しかし「見続ける」とはどういう測定するのですか。時間を測るのですか。
問題2: 非常に細やかに書いてくれていますが、「好きな人当て」(定義の妥当性チェック)の部分があります。Aさんが好きらしいBさんと対面させて、諸指標の測定を行なうのは定義の妥当性チェックで、定義をした後の作業になります。まだここまでしなくていいです。
問題1で出てこなかった、「問いに対して赤面する」とか「帰り道での行動」という行動が登場しています。これらを利用するなら、問題1で指摘したほうがいいです。
6点差し上げます。