0章 計量心理学の課題
問題1:『恋愛感情」を「目に見えるもの」として、置き換える場合どういうものが適切か』
私は「恋愛感情」を「心拍数」「瞬きの回数」「被験者自身による評価」「第三者による評価」に置き換えるのが適切だと考える。これらの指標は教科書的に分類可能で、それぞれ生理的指標、行動的指標、内観報告、外部評価に当たる。違う分類の指標を用いるのは、複数指標の相関が恋愛感情以外でも生じる場合を最も回避可能な形だと考えたからである。(例えば「心拍数」「血圧」を用いた場合(双方生理的指標で且つ交感神経系の働きの延長)→緊張ではないか?等)
「心拍数」については恋愛感情と関係のある興奮、緊張の要素を図る上で適切だと考えた。
「瞬きの回数」については会話対象、もしくは会話内容に興味がある場合通常姿勢が前傾すると考えた。
「被験者自身による評価」については、不明瞭である人間心理を計る上では結局ある程度自己申告に頼るほか無いと考えたからです。自己申告を用いる心理検査法として、本課題に類似する研究では、ルービンの愛情尺度、医療分野ではBDI(ベック抑うつ尺度)などが挙げられる。
「第三者による評価」は「心拍数」「瞬きの回数」の数値化が容易な客観的指標以外をカバーする目的で設定した。
問題2:『問題1であげた「目に見えるもの」をどういう状況でどのように測定し、どのような基準でどう解釈すれば、「ある人がある人に恋愛感情を持っている」という心理状態に適切な操作的定義を与えられるだろうか。』
次に定義づけする上でまず、実験対象、計測環境、及び各数値のベースラインと得点を規定する。
実験に関わるのは、被験者となるAと、被験者が恋愛対象である可能性があると主観的に判断した人物BとAとBとの面識を持たないC群5名の計7名とする。
環境としては、各指標に影響する因子が明確に存在しない室内、恋愛対象Bと1.8mの空間をおいて(テーブル可)の30分間の椅子を用いた端座位での対面、対話状態を想定する。
心拍数は椅子に楽に座った状態の静止時分平均、瞬きの回数はベースラインとなる心拍数計測中の分平均回数を用いる。それぞれ得点は、5点を中央点とした上下各4段階とし、心拍数は15%の増減で±1、瞬きは10%の増減で±1得点とする。
「被験者自身による評価」は質問後に恋愛対象者が退出した後その場で質問紙に記入させる。
「第三者による評価」は別室にて瞬き回数測定用のカメラ等を用いてAとBのやりとりをCに質問紙にて実験中及び終了後30分間評価させる。
質問紙の内容にはルービンの愛情尺度を引用、又は改変した各9段階、13項目の質問を用いる。その後最高点数である104点を9分割し切り上げた得点基準表(0~12は1点、13~24は2点....)を用い1~9点で評価する。
評価基準としては各指標点の内1つでも各基準点(6,6,5,5)を下回った場合全得点を無効とし、恋愛感情無しと判断する。これは加法を用いる以上、1項目の低い点を他の項目の高得点でカバーする事が可能だからだ。
この定義を作るに当たって私は実際に実験を行い、点数を計上していない。よって実際に使用する場合に
各基準点及び最終基準点については、計上された点数分布等に応じて任意に変更可とする。
その他の実験監督者が不適切であると考える事象が実験中、又は前後に認められた場合は本定義を無効とする。
最後に、定義づけ問題である以上、この定義では26点以上で恋愛感情があると判断する。
問題1: 自己評価、他者評価を併用するというのはいい工夫かもしれませんが、その理由である「ある程度自己申告に頼るほか無い」についてはもう少し考察が必要かと思います。これらの評価と生理的指標に矛盾があった場合はどうしますか。生理的指標に従うのであれば、最初から生理的指標だけでよいと思います。矛盾がない場合は、自己申告は生理的指標の補強になりますね。こういうことを考えた方がいいと思いました。
BDI(ベック抑うつ尺度)って、今回の課題に適合的ですか?
問題2: おおよそよいと思います。問題1で指摘された問題はクリアする必要がありますけれど。
8点差し上げます。