24心理学(3)

23年度「心理学(3)」投稿ページ / 1385

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F23124 2023/12/08 (金) 18:55:02 修正 ec7c8@ac61b

第10週
課題1 コーピングについての補足
・諦めや思考回避等を行うことでストレスを低減しようとすることを回避型コーピングという。これは否定的に捉えられることが多く、ストレス反応を増加する方向での影響が示されたものもある(三浦・上里・神藤・三浦・黒田ら)。
・杉浦(2002)は、問題焦点型コーピングの使用過程における積極的な動機「考え続ける義務感」によって「思考の制御困難性」が強まることを確認している。これは、基本的にはストレス低減に有効である 積極的な方略が、粘り強く考えることに執着し過ぎるとかえって有害になる場合もあるということである。積極的な取り組みによっても変わらないようなストレスフルな事態に対して、そのような対応の有害性や無効性を認知し、その代わりの方略として回避型コーピングが用いられるとすれば、強迫的に完全性を求めることによるストレスを高めずにすみ、そこから距離をおくことで安定を保つことができるようになるのではないだろうか。
・回避型コーピングは息抜きを意図して主体的に用いられた時に効果があり、無効性を認知して、どちらかというと消極的に用いられるとストレスを増加させることにもつながるようであった。

出典:森田美登里(2008).「回避型コーピングの用いられ方がストレス低減に及ぼす影響」『教育心理学研究』,21巻,pp.21-30

 教科書では、問題焦点型コーピングがストレス低減に有効であるという肯定的な面での説明をしているだけだったが、補足したように、問題焦点型にも、ストレスを高める負の側面がある。また、一般的に否定的に捉えられる回避型コーピングも、息抜きを意図した場面でならストレス低減につながる。つまり、問題焦点型だけでなく、情動焦点型、回避型など、どのコーピングにも場面によって有効な場面と有害な場面があり、それらを状況に応じて適した方法を使用する、失敗したら別の方法を使用するといったような、コーピングの柔軟性が重要だ。このように、コーピングを肯定的な面でしか捉えていない教科書の説明を正し、コーピングの柔軟性の必要性を述べることで、より教科書理解につながると考えたため、この情報を追加した。

課題2
 料理を全くしたことがない私が、1人でハンバーグ作りに挑戦したが、全く上手くいかなかったことがストレッサーだったことがある。この場合、「何回も同じハンバーグを作って慣れていく」ことは一つのコーピング(問題焦点型コーピング)だ。しかし、何回もハンバーグを作る過程で上手くいかないことがあるため、新たなストレッサーとなる。ここで「ハンバーグを作ることができる人に手伝ってもらう」というコーピング(問題焦点型コーピング)で効率的にハンバーグ作りに慣れ、失敗してイライラする回数を減らすこと。「ハンバーグより簡単で基礎的な料理をして、達成感を感じていく」というコーピング(情動焦点型コーピング)によってストレスを低減すること。これらの二つを追加することがストレス反応への解決策となると考えた。

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  • 1389
    satsugakushinri 2023/12/10 (日) 13:58:10 >> 1385

    課題1: 問題焦点型が常に有効であるかのような表現は教科書にありませんが、負の側面の指摘は確かにありませんでした。情動焦点型は当面の問題回避になりませんが、それでも有効性が示唆されていました。コーピングは、しばしば組み合わせて、状況に応じて柔軟に使用する指摘は大切だと思いました。
     「回避型コーピング」という名称は、「問題焦点型」「情動焦点型」とどう関連するのでしょうね。情動焦点型は一般的に回避型のように思われますが、両者が同一でないのであれば、情動焦点型以外の回避型コービングがあるのでしょうかね。
    課題2: 課題1であなた自身が指摘された「考え続ける義務感」によって「思考の制御困難性」が強まる」ことが、「ハンバーグ作りに慣れていく」にはあるかもしれないですね。手伝ってもらうのは、ソーシャルサポートでしょうか。最後のは情動焦点型なのかな。確かに、ハンバーグという目的を一時回避して、達成感を得ていくことはストレス低減につながりそうです。

    8点差し上げます。