第11章 発達障害
課題2
学習障害を持つ人達は、知的な発達に遅れはないが、文字や数字の処理など特定の領域に課題を抱えている。この課題を克服する手段として、文字を音声で代替することや数を概念図に変換する方法が効果的である。
このサポート手法を活かし、私は生徒一人一人にタブレットを配布し、学習手段を自己で選択できる環境を作ることで、学習障害は障害とみなされなくなると考える。
タブレットを用いた学習を行うことで、教師が作成したテキストや教科書の文章などに音声データを設けることや数の理解を補助する動画を導入することが可能となる。
上記の学習方法を提供し、本人の自由意思で選択できる環境を作ることで、それぞれが用いる学習手段は本人の好みであると捉えることができ、障害は「見えない化」すると考えられる。
課題3
私は障害者と健常者の共生が強調されるようになったものの、未だに障害が障害として不利益を被る現実に対する折り合いの付け方として、「認識を矯正していくためのアプローチ」と「認識や寛容だけに頼らないアプローチ」による二つの観点からアプローチすることが重要であると考える。
学校や職場での障害に関する教育プログラムを充実させ、差別や偏見を軽減することやメディアが障害者をポジティブに取り上げ、ステレオタイプ的認識を矯正していくことが「認識を矯正していくためのアプローチ」に当たる。
また、 健常者による善意や認識だけでは不十分であり、社会構造や制度にも着目する必要があると考える。そのため、障害者が利用する公共施設や交通機関のアクセシビリティ向上、雇用機会の拡充を実施するなどの構造的な変革を行うことや障害者の権利を保護し、差別を防ぐための法的な枠組みや規制を導入することが「認識や寛容だけに頼らないアプローチ」に当たる。
障害者と健常者、両者にとって不利益がない世界を作ることは不可能であると私自身は考えているが、上に挙げた二つのアプローチによって、健常者側の障害者への認識の変革と社会的な構造の改善を同時に進行させることで、不利益が最小限抑えることのできる環境を整備していけると考える。
課題2: タブレットによる学習方法の個別最適化は有効な手段の一つですね。
記述に具体性がもっとあるとよいと思いました。「文字や数字の処理など特定の領域に課題を抱えている」とは、どういう「課題」なのでしょう。「課題」の内容が抽象的です。多分ディスレクシア(教科書の言い方をすれば「文字を読むことが極端に遅い」)への対応を考えていると思うのですが、それがわかるように書いたほうがいいです。克服の手立ても「数の理解を補助する動画」ではなく、具体的にどういう動画なのかが示せるとなおよいと思いました。
課題3: 差別や偏見の矯正はすでに言われていることではないかと思います。なお差別や偏見が残存していることを鑑みて、あなたは「認識や寛容だけに頼らないアプローチ」を提唱したのでしょう。しかし法と規制でなんとかなりますか。あなたが理想だけを語っていないところは好感が持てます。解消し難い不利益を具体的に挙げてくれるとよかったかもしれません。たとえば「あの人仕事が遅いんだよね」という苦情が同僚から出ないようにするにはとか。理想ではなく具体的に考えたいものですね。
10点差し上げます。