凡事徹底
2025/01/28 (火) 21:36:07
e0d4d@d7920
89年の秋から暮れに掛け帰宅後に見たニュースステーションでは連日社会主義体制崩壊の様子が報道されていた。それで興味が沸き、翌年ハンガリー、ユーゴスラビア、ブルガリアを旅する事にした。初めての海外旅行でまずウィーンに降り立ち、外国とはこんなものかと思った後ハンガリーに行った。それで大カルチャーショックを受けたのは書いたっけ?
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書いていない🧐
当時既に地球の歩き方東欧編があり、そこには『ブダペストって綺麗な街ですね』と書いてあった。その程度の予備知識でブダペスト東駅に降り立ったら、驚く事が多かった。街中には見た事のないトラバントやラダ等東側製の車で溢れ、それらが吐き出す排煙に覆われていた。地下鉄の改札を出ると掌に靴やTシャツをかざした個人商人が出入口の階段迄ずらっと並んでいて、経済状態の悪さを実感した。街全体の雰囲気は8月だったせいか暗くはなかったけど、旅行者にとって素っ気のないものだった。宿泊したユースホステルでシャワーを浴びたらシャワーヘッドがなく、蛇口から流れ落ちる温水が頭上にあたって飛び散ったのもショックを増大させるのに十分だった。ちなみにこの手のシャワーは現在も市民プール等に残っていて、湯量を調節する事で問題なく使用できる。
などの理由で東欧圏にはもう2度と行きたくないと思い、スイスで会った台湾人にその事を話したら逆に『行くべき』と言われた。彼らは行ける国が限られているので。
それで予定通りユーゴスラビアとブルガリア経由でイスタンブール迄行ってみたら、結構おもしろいじゃないと考えが変わった。
この一か月間の旅行は文字通り人生を変えた。それ迄の平凡で窮屈な日常に対し、新しい世界を目の当たりにする事でアドレナリンが湧き出るような気分の高揚感があった。帰国日にイスタンブール空港で出発便の電光表示に並ぶヨーロッパ方面の行先を見て、帰国を止めあの中のどれかに乗りたいという衝動にかられた。それをしたらどうなっていただろうかと今でもふと思う事がある。