燈の6句選です。
人10 ハモニカに映る青空敗戦忌 わが父は少年の頃からハモニカを吹いていたらしくとても上手だった。母は晩年ハモニカ教室に通ってまし た。ハモニカは郷愁の楽器です。 天12 病めば青き生の匂ひや青りんご 病んで病床にいるとき、青りんごの匂いの鮮烈さ、つまり、生のかけがえのなさが初めてわかるのかもしれ ません。青りんごが子どもの頃、大好きでした。 人30 唖蝉の鳴きつのる夜や闇深し 「唖蝉」とくれば、重信の「この夢如何に青き唖蝉と日本海」を思い出さずにはいられません。「唖蝉が鳴 きつのる」には脱帽です。 地34 あ、あ、蟻、の、た、隊列、く、ずれ、ゆく なんといっても、この表記のチャレンジに一票です。俳句はいろんな可能性を秘めて存在している詩型であ ることを忘れたくないですね。 地40 目覚めれば夏いくさの真只中 まさかの事態があっけなく現実となり、暗澹とするばかりの今日この頃です。この句は私たちの恐ろしいこ の夏を描いていると思います。 人40 蛇行する川のほとりの麦わら帽子 幼い頃、家族で川遊びに出かけたことを思い出しました。蛇行する川の淵で父は泳ぎました。母はその父を 見つめていたような。なぜか寺山修司の「わが夏帽どこまで転べども故郷」を思い出しました。
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燈の6句選です。
人10 ハモニカに映る青空敗戦忌
わが父は少年の頃からハモニカを吹いていたらしくとても上手だった。母は晩年ハモニカ教室に通ってまし
た。ハモニカは郷愁の楽器です。
天12 病めば青き生の匂ひや青りんご
病んで病床にいるとき、青りんごの匂いの鮮烈さ、つまり、生のかけがえのなさが初めてわかるのかもしれ
ません。青りんごが子どもの頃、大好きでした。
人30 唖蝉の鳴きつのる夜や闇深し
「唖蝉」とくれば、重信の「この夢如何に青き唖蝉と日本海」を思い出さずにはいられません。「唖蝉が鳴
きつのる」には脱帽です。
地34 あ、あ、蟻、の、た、隊列、く、ずれ、ゆく
なんといっても、この表記のチャレンジに一票です。俳句はいろんな可能性を秘めて存在している詩型であ
ることを忘れたくないですね。
地40 目覚めれば夏いくさの真只中
まさかの事態があっけなく現実となり、暗澹とするばかりの今日この頃です。この句は私たちの恐ろしいこ
の夏を描いていると思います。
人40 蛇行する川のほとりの麦わら帽子
幼い頃、家族で川遊びに出かけたことを思い出しました。蛇行する川の淵で父は泳ぎました。母はその父を
見つめていたような。なぜか寺山修司の「わが夏帽どこまで転べども故郷」を思い出しました。