獨鬼六選です。 どの句も天でも地でも人でもよいような、甲乙付けがたく、力業の選句です。
【人】6 ひつそりと世にある我と螽斯 ふと我を振り返ってみました。荒れ庭の螽蟖とともに。 【人】17 妹と並んで弾いたね秋のオルガン 秋こそオルガンの音が似合うかも。 【地】31 月光の電話ボックス海に向き 昔、東日本大震災の被災地で死者や行方不明の人たちに語りかけるための電話ボックスがあった、というテレビ番組を見た覚えがある。 【地】32 誰も読まぬ聖書にはさむ秋の薔薇 秋の薔薇は、愛と犠牲に十字架に欠けられたキリストの真っ赤な血、殉教者の血ということだろうか。 【天】33 稲妻や夜汽車で帰る魂ひとつ 古里へ帰れなかった人の魂を乗せて、北へ北へと進む夜汽車が浮かぶ。 【人】35 案山子か廃人それとも俳人か 俳人は見る者、観察する者で案山子もただただ見る存在、「人に非ず」とは廃人であり俳人の謂いあり、また徘徊者こそ俳諧を担う者、ということか。
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獨鬼六選です。
どの句も天でも地でも人でもよいような、甲乙付けがたく、力業の選句です。
【人】6 ひつそりと世にある我と螽斯
ふと我を振り返ってみました。荒れ庭の螽蟖とともに。
【人】17 妹と並んで弾いたね秋のオルガン
秋こそオルガンの音が似合うかも。
【地】31 月光の電話ボックス海に向き
昔、東日本大震災の被災地で死者や行方不明の人たちに語りかけるための電話ボックスがあった、というテレビ番組を見た覚えがある。
【地】32 誰も読まぬ聖書にはさむ秋の薔薇
秋の薔薇は、愛と犠牲に十字架に欠けられたキリストの真っ赤な血、殉教者の血ということだろうか。
【天】33 稲妻や夜汽車で帰る魂ひとつ
古里へ帰れなかった人の魂を乗せて、北へ北へと進む夜汽車が浮かぶ。
【人】35 案山子か廃人それとも俳人か
俳人は見る者、観察する者で案山子もただただ見る存在、「人に非ず」とは廃人であり俳人の謂いあり、また徘徊者こそ俳諧を担う者、ということか。