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My Vintage Audio 掲示板 / 545

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D404F203 2025/01/20 (月) 10:54:55

ksusumu777様、掲示板ではお久しぶりです。2025年もよろしくお願いいたします。
PM24Dの三極管接続動作についての私的見解をコンパチアンプの仕掛人として回答いたします。

  PM24D三極管接続時のスクリーングリッド耐圧の考え方

1.五極管接続時と三極管接続時のスクリーングリッドの動作の違い

五極管接続時は出力の増大に比例してスクリーングリッド損失が増大するので0信号時のスクリーングリッド損失や電圧を控えめにする設定する必要がある。
三極管接続時はスクリーングリッドからも出力を取り出すため0信号時の損失が最小となる。
なお。プレート損失やスクリーングリッド損失はそれぞれの入力から出力を差し引いたものでありA級増幅の場合いずれも0信号時が最小となる。

2,PM24Dの五極管接続時の最大スクリーングリッド電圧200Vはどの様に考えればよいのか

PM24Dのプレートの最大電圧が500Vであることを考えると管内の真空度やステムからきたものではない。おそらくはスクリーングリッド損失の制限からきたものであろう。
さらにはPM24Dの軍用管NT62Aはレギュレーターチューブとしても使用されていたようで、Ep200V Esg 200V Eg-20V Ip110mAという検査項目が設定されている。
110mAものプレート電流を取り出せば相当なスクリーングリッド電流も流れるわけでスクリーングリッド電圧を制限せざるを得なかったことは想像に難くない。

3,動作条件によって最大スクリーングリッド電圧が異なる例

良く知られた球として6L6(メタル管)があります。
6L6のA級動作時の最大スクリーングリッド電圧は250Vに制限されています。
AB級動作では300Vまで許容されています。
AB級動作では0信号時のプレート電流を絞って動作させます。
当然ながらスクリーングリッド電流も少なくなります。
このようにスクリーングリッド損失にゆとりがある場合には高い電圧が許容できることが分かります。
もう一つ著名な球として6F6があります。
6F6はかのオルソンアンプの出力管ですが五極管接続時の最大スクリーングリッド電圧は285Vです。
オルソンアンプでは三極管接続時の保護抵抗無しに350Vを許容しています。

4,片岡様のコンパチアンプにおけるPM24Dお動作状況

Ep250V、Ip40~50mA程度である。
上述のレギュレーター管としての動作からすると非常に軽い動作である。
当然ながらスクリーングリッド損失も相当にゆとりのある状態である。

5,PM24Dの三極管接続時におけるプレート電圧の個人的な許容値

PX4並みのプレート損失15W以下の場合300Vまでは全く問題なく使用できると考えています。
Ep400Vプレート損失25Wのオペレーションではスクリーングリッドの保護抵抗が必須と思います。

6,三極管接続時における最大プレート電圧は逆算によって求められる。

全日本真空管マニュアル(ラジオ技術社)は私にとってのバイブルの一つです。
NECで真空管を設計していた一木吉典氏がマニュアルの前半で詳細な解説を行っている。
多極管の詳細な動作が分かっていれば三極管接続時に許容できるプレート電圧が算出できるのだ。
その算出方法が興味深い。まずは動作させたい三極管接続時のプレート電圧を元に最大プレート損失を求めるというものだ。
つまり三極管接続時における最大プレート電圧はプレート損失と密接な関係にあり同じ球でもプレート損失を低く抑えれば計算上最大プレート電圧は高く設定できるのである。
また、球の特性によってもどの程度に設定できるかは異なりGmの高い球はあまり高くできない傾向にあるようだこれはGmの高い球ほど三極管接続時にプレート電圧を上昇させた場合のプレート電流の増加率が大きいためと想像がつく。
PM24DはGmが高くは無いので控えめ動作であればスクリーングリッドに掛ける電圧をある程度上げられる。

7,コンパチアンプの出力管のソケット配線

片岡様のコンパチアンプは傍熱型の出力管が使えるようになっています。
そのためUF5ピンの直熱五極管がそのまま挿せるようなピン配線にしてしまうと今まで使えていた傍熱型出力管が使えなくなってしまいます。
さりとてアンプに切り替えスイッチを付けて全て使えるようにするとスイッチの切り替えミスのリスクが伴います。
見た目は少々不格好ですが現状のソケットアダプター式が良いのではと思います。

私は農業高校しか出ていない凡俗ゆえ理系の方からすれば所々怪しい部分はあるかもしれないが大筋で考え方は間違っていないと思っています。

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    ksusumu777 2025/01/20 (月) 12:08:05 >> 545

    博士さま
    詳しい説明をいただきありがとうございました。(当方にはこれでもチンプンカンプンですが😆
    yshi5429さま と言うことで直熱5極管PM24Dの三極管接続につきましても変換プラグのみで使用可能とのことです。
    アンプの使用ソケットにつきましては元々UF5ピンソケットを使用しておりますが、傍熱5極管を3結でも使用することができるような配線となっております。よろしくお願いいたします。