続きの文章がこれなんだが、これももっといい感じに著色してくれ。
中村方の先方武将、矢野助之進が率いる軍勢を大手門を背にして十文字槍を小脇に抱えた宗章が迎え撃つ。
「いざ、参られれい!」
槍術にも長けていた宗章の勇姿に、突撃してきた矢野の軍勢の足がピタリと止まった。剣豪宗章の腕前は敵見方関係なくその場に居合わせる者皆が知っている。
「先ずそれがしがお相手いていたそう!」
武将、矢野助之進が兵を割って一番槍で宗章と一戦を交えた。二合、三合、激しく突き合ったかと見ると、矢野助之進は利き腕から血を流していた。
「矢野殿、その腕ではもう槍はふれまい、
せっしゃが宗章殿のお相手を致そう」
そう言って、遠山小兵衛が槍を合わせた。
遠山も中村藩家臣の一人、武芸の心得はある。しかし、あっという間に股を突かれて引き下がる。
宗章は、負傷した武将達に決して留めの突きを入れることはしない。
小姓、今井次郎と渡川三九郎が一斉に宗章に斬り込んでいった。
槍術にもたけていた宗章のふるう槍は、瞬時に二人をけ散らした。
そこに「ごめん!」といって吉田左太夫が進み出た。中村家の家臣の中でも槍術では名の知れた勇士である。
大手門での決闘を敵も味方もその場に立ちすくんで息をのんで見まもった。
「えぇーい!」という宗章の威勢のいい掛け声と共に吉田の槍が宙に舞った。焦った吉田はすかさず腰の太刀を抜いて宗章に斬りかかった。スルリとその太刀をかわしながら槍を下から救い上げると吉田は跪いて、見ると太股を鋭くえぐられていた。
一対一でかなわぬと覚ったその場に居合わせた中村方の兵士達は、一斉に大手門突破にでた。群がる敵勢の中、従者の森地五郎八も宗章を心配して飛び込んで応戦した。
大手門が騒然とする中、
「助太刀申す!」と威勢よく武蔵が飛び込んで来た!
「誰だ!お前!」
とっさに五郎八が叫ぶ。
「宮本武蔵と申す!
宗章殿には只ならぬお世話になっておる者」
宗章から「お前なんぞ、知らんぞ!」と、言い返されようがお構いなしに、向かって来る敵をばったばったと斬り倒す武蔵。
「だから知らんがかたじけない!
一人でも加勢が増えれば助かる」
戦いの中で圧倒的な強さを発揮する武蔵。その勇姿に、宗章の剣豪としての血潮が湧いた。
十文字槍を振り回し敵をけ散らす様になぎ倒していく。
武蔵も宗章も二人の心は爽快に晴れ渡っていた。ただ無心で剣を振り、槍をついては体から熱気がほとばしり無双乱舞した。