続きの部分も良い感じに仕上げてくれ。
柳生新陰流
アドバンがなぜ今、日本の空観寺なるお寺で修行をしているのかと言えば、話はWild-Bisonの第1部-第一話にさかのぼります。
Bison氏が言った「武士の魂」の意味するところを知りたくてアドバンは、Bisonが紹介した柳生新陰流の「柳生の里」がある福岡にやって来た。そこの道場の師範がBisonの弟、柳生新陰流第17代師範、柳生真兵衛である。
「お前さんがアドバンか、兄貴から話は聞いている。短い期間ではあるが剣術が何たるかを学んでいくがよい」
いかにも剣術の達人といった風貌の千葉真一を思わせる真兵衛が、アドバンに「よろしく!」と手を差し出した。握手したその手から伝わるとてつもない存在感が、「この男、只者ではない・・・」とアドバンの興味をMAXにそそり立てた。
その真兵衛には二人の息子がいる。
今年35になる長男、雄一郎と8つ年が離れた次男、陽次郎(27歳)である。雄一朗は一昨年まで警視庁の捜課一課の敏腕刑事として活躍していたが、現在は全国暴力団対策本部の本部長という職に就いている。去年から北九州県警に入って対暴力団対策課の指揮をとっている。
次男の陽次郎は、実家の家業を継ぐべく剣術家の道に進み、日々剣術の鍛錬と仏道修行に明け暮れている。仏道修行とは、あの日蓮法華道「空観寺」での修行だが、住職の巌空は真兵衛やBisonの兄にあたる。長男が巌空で次男がBison、三男が真兵衛といった三兄弟になります。
実は、Bisonにもアフロ・Bisonという息子が一人いて、年は真兵衛のとこの次男、陽次郎と同級の27歳。同じ年のいとことあってこの二人はすこぶる仲が良い。
アフロは、Bisonと同じアメリカに住んでいるが、今日本の航空自衛隊で特別勤務を命じられ福岡の築城基地に勤務している。アフロは自衛官ではない。彼はアドバン率いるDestiny部隊の戦闘機パイロットである。今回訳あって日本の自衛隊勤務を命じられ来日している。英語と日本語を話せるアフロの日本行きを知ったアドバンが、アフロを通訳代わりにして自分も来日したという訳である。
アフロの築城基地での勤務は、名目で実際のところアドバンの通訳係のようなもんで、あのケイク・アートが仕組んだ二人の来日である。
アドバンは剣術のことに興味深々で真兵衛に聞きたいことが次から次へと沸いてくる。それをアフロに伝えようと振り返ってアフロを見ると、竹刀を持って陽次郎とちゃんばらごっこをして遊んでいた。
「ヘイ アフロ・・・」
「何だよアドバン」
ちゃんばらしながら受け応えするアフロ。
「楽しそうだなお前・・・」
「俺にもその竹刀貸してくれ」
「おお! やってみますか隊長さん」
ってアドバンとアフロの関係ってどういう関係?
実はこの二人、アドバンが年は一つ上だが、ジャスティスではほぼ同期の入隊。入隊以来数々の戦闘を共にしてきた二人。コンバット・デイジーと共にアフロは、Destiny部隊の中心人物の一人なのだが・・・。いつもふざけているのは、あいつの影響である事は間違いない。
Bison工房でロン・スミスが思いっきりくしゃみした。
「誰か俺様のうわさ話でもしてやがるな・・・」
アフロを無理やりジャスティスに引き込んだのもこの男であった。