法介
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2025/01/12 (日) 17:08:54
歌詞を読み、
音楽を聴けばわかるとおり、
この曲は過誤と諦観と平安、旅と故郷を主題にしている。
その主人公は「アメリカ」という国家である。
この曲が収録されたアルバムが発表された1973年は、ベトナム戦争のさなかで、前年にはウォーターゲート事件が起こるというアメリカにとって多難な時代だった。そして2008年頃といえば、サブプライム・ローン問題を発端とする住宅バブル崩壊が始まり、選挙戦中にはリーマン・ショックが起きた。そんな混沌とした時代にあって大統領選に出馬したバラク・オバマは、そうした2つの時代のアメリカを、この曲に重ね合わせ、自陣のキャンペーン・ソングに用いた。
それがこの曲がアメリカの第二の国家と言われるようになった経緯だ。
この曲が数多くの人々に記憶されているもうひとつの理由に、
バッハの『マタイ受難曲』の有名なコラール旋律が転用されていることがあげられる。
新約聖書「マタイによる福音書」の26、27章のキリストの受難を題材にした受難曲である。
第一部29曲、第二部は39曲の全68曲からなる大曲の中でこのコラール旋律は、イエス・キリストがむち打たれ、いばらの冠を頭に載せられる場面を歌った第54曲「血潮したたる 主の御頭(みかしら)」をはじめ、歌詞を変えて繰り返し歌われる。このコラール旋律にサイモン自作の歌詞を乗せてつくられた曲なのだ。
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