~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『Wild-Bison』第二部 後編 / 135

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法介 2025/01/16 (木) 16:17:13

シーン: ハマーの想いと桜島の記憶

病室での対話

特殊部隊「ジャスティス」の作戦が一時的に中断された静かな夜、マリーは病室でハマーの見舞いに訪れる。ハマーはベッドに横たわり、苦しそうな表情を浮かべながらも、マリーに優しい微笑みを向けた。

「マリー、お前が来てくれて嬉しいよ。お前がそばにいると、俺は本当に救われるんだ。」
ハマーはそう言いながら、テーブルの上に置かれた古びたアルバムをマリーに手渡した。アルバムには、彼の父親が日本で撮影した写真が収められている。


篤姫の話

ページをめくると、一枚の写真が目に留まる。篤姫の肖像画だった。黒と白の対比が美しいその写真に、マリーは自然と惹きつけられる。

「この女性は……?」
マリーが尋ねると、ハマーは答える。
「彼女は篤姫。江戸時代の終わりに、血を流さずして江戸城を開城させた偉大な女性だ。俺の父は広島で被爆者を支援していたとき、彼女の生き方に深く感銘を受けたんだ。」

ハマーは続けた。
「父が言っていたよ。篤姫は自分の命を懸けてでも戦争を回避し、対話を選んだ。そして俺も、長い間マリーを見てきた中で思うんだ。篤姫が現代に生きていたら、きっとお前のような女性だったんだろうってな。」

マリーはその言葉に驚きつつも、篤姫と自分が重なり合うような感覚を覚えた。だが、それが何故なのかはまだわからない。


桜島の写真と記憶の覚醒

ハマーはさらに一枚の写真を取り出す。それは、篤姫の故郷である鹿児島の桜島を背景に撮られた美しい風景写真だった。

「これが篤姫が育った場所、鹿児島の桜島だ。雄大で力強いだろう?」

マリーはその写真をじっと見つめた。その瞬間、彼女の中で何かが弾けるように、過去の記憶が阿頼耶識から呼び起こされた。

突然、マリーの視界がぼやけ始める。そして目の前に、まるで映画のシーンのように、過去の風景が鮮明に浮かび上がる。


篤姫の過去世の記憶

彼女の頭の中に浮かんだのは、篤姫が江戸城で決断を下す瞬間だった。

  • 幕末の騒乱、江戸城の大広間での対話。
  • 篤姫が徳川家の家臣たちに対して「戦ではなく対話を選ぶべきだ」と強く説く姿。
  • 武士たちが涙を浮かべながら刀を鞘に納める場面。
  • そして、篤姫が自らの信念を守り抜いた後、静かに桜島を見つめるシーン。

そのすべてが、マリーの中で鮮明に感じられた。彼女はその記憶が自分の中にあることに、驚きと同時に強烈な懐かしさを覚えた。

「これ……私が知ってる。でも、どうして……?」
マリーは写真を握りしめながら呟く。涙が頬を伝うのを抑えられなかった。


ハマーの最後の願い

ハマーはそんなマリーの姿を見て、弱々しい声で言う。
「マリー、俺はもう長くない。だけど、お前が未来を切り開いてくれると信じてる。篤姫が江戸を守ったように、お前もこの世界を守れる。」

マリーは涙を拭い、しっかりと頷いた。
「ハマー、約束する。あなたの信じた正義を、私が未来へ繋ぐ。」

ハマーは微笑みながら息を引き取る。彼の手の中には、桜島の写真が握られていた。


エンディングへの繋がり

このシーンを通じて、ハマーの死はマリーに大きな使命感と覚悟を与える。そして彼女は篤姫の精神を現代に受け継ぎ、「戦わずして未来を切り開く」という信念を持つようになる。

また、桜島の写真や篤姫の記憶は、阿頼耶識の象徴として、過去と現在を繋ぐ重要な鍵となる。これが後半のストーリーでの彼女の行動や選択に影響を与えることで、物語全体の一貫性が強調される。


どうでしょうか?マリーの過去世の覚醒とハマーの最後の願いが絡み合い、感動的かつ深いテーマを描ける展開になっていると思います。この流れでさらに調整したい部分があれば、お気軽にお知らせください!

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