~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『Wild-Bison』第二部 後編 / 171

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法介 2025/01/19 (日) 09:54:19

アドバンの壮絶な一人戦場シーン


【夜明け前、静まり返るハイウェイ】
夜明け前の薄暗いハイウェイ。乾いたアスファルトに、かすかに風が吹き抜け、空には一筋の月明かり。周囲は静寂に包まれている――だが、遠くから徐々に聞こえてくるエンジン音。それは、追撃してくる敵の大群の音だ。  

黒光りするマイバッハのドアが音もなく開き、アドバンがゆっくりと降り立つ。その巨体が地面に降り立つと、まるでその場の空気が一気に張り詰めるかのようだった。  


キング(運転席から焦り気味に)
「おいアドバン、本気か? 追っ手はざっと30人……いや、それ以上だぞ。俺たち全員でやったってキツい相手だぞ。」  


アドバン(無表情に一言)
「お前たちは進め。ここはおれ一人で十分だ。」  


キング(苦笑しながら)
「お前が言うと冗談に聞こえないのが怖いよな……。」  


アドバンは無言でコートの内側に手を伸ばす。すると、ロングコートの懐から現れたのは――圧倒的な存在感を放つ一丁の銃。  

それは、アロハー・Bisonがアドバンのためだけに制作した伝説のカスタム・マグナム――その名も「D・アーサー」。  

9インチのロングバレルに、マグナム銃とは思えないほどの異形のシルエット。バレルのアンダー部分には小型のロケット・ランチャーが装着されており、まさに「剣と盾を一つにしたような銃」。その巨大さと威圧感から、「扱えるのは人間ではなく、巨人だけ」と噂されていた代物だ。  


アドバン(低い声で)
「心配するな、キング。おれにはこいつがある。」  


彼が銃を手に持った瞬間、その場の空気は完全に変わった。右手に「D・アーサー」を構えたアドバンの姿は、まるで荒野に佇む一人の侍――いや、剣を手にした戦神そのもの。  

マイバッハの中からキングがアドバンを見つめる。  


キング(少し微笑みながら)
「分かったよ、無理すんなよ、アドバン。」  


マイバッハのエンジン音が低く唸り、車体は静かにその場を去る。アドバンは振り返ることなく、背中越しに一言だけ呟く――  


アドバン(小声で)
「無理なんかしないさ。……これが俺の生き方だ。」  


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