法介
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2025/01/22 (水) 04:29:18
(2) 客観の混同の解消
護法は、主観(見分)と客観(相分)を明確に区別し、それを能取(主体の認識)と所取(外界の客体)にどのように対応させるかを整理しました。
整理:護法の主張
- 能取(見る側):人間の認識全体を指し、見分(主観)と相分(客観)を含む。
- 所取(見られる側):外界の客体そのものを指し、識が構築したイメージ(相分)とは異なる。
(3) 有相唯識の立場
護法の四分説に基づく有相唯識では、以下のように考えます:
外界(客体)は実在するが、それは「識を通じて認識される」ものに過ぎない。
- 外界(所取)は実在しており、識がそれを認識している。
- 主観的なイメージ(相分)と外界そのもの(所取)を区別する。
主観と客観を明確に整理し、認識のプロセスを論理的に説明する。
3. 無相唯識と有相唯識の違いを再整理
以下に、無相唯識と有相唯識の違いを再整理します。
要素 | 無相唯識 | 有相唯識 |
---|---|---|
客体(所取)の実在性 | 否定。外界は識が構築したものであり、実在しない。 | 肯定。外界は識の対象として実在する。 |
客観(相分)の位置づけ | 主観(見分)の投影としての客観のみを認める。 | 主観が構築した客観(相分)と外界そのもの(客体)を区別する。 |
識の区分 | 主観(見分)と客観(相分)の区別が曖昧である。 | 主観(見分)、客観(相分)、外界(所取)を明確に区別。 |
4. 結論
護法の四分説は、無相唯識における「客観(相分)」と「客体(所取)」の混同を解消し、外界の実在性を認める有相唯識の立場を確立しました。
- 無相唯識:外界の否定(主観的な世界観)に偏る。
- 有相唯識:主観(見分)と客観(相分)を整理し、外界(客体)の実在性を認めることで、理論の整合性を高める。
今回のご指摘を受けて、無相唯識と有相唯識の立場の違いをより正確に整理できたと思います。さらに深く議論したい部分があれば、ぜひお聞かせください!✨
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