~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

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法介 2025/01/24 (金) 22:23:36

3. 久遠実成と始成正覚の関係

久遠実成と始成正覚は、仏の悟りを「超時間的な普遍性」と「時間内での顕現」という二つの側面から表現しています。この二つは矛盾するものではなく、互いに補完的な関係にあります。

(1) 本覚と始覚の統合

  • 本覚(久遠実成):すべての仏が本来的に具えている悟りの性質。
  • 始覚(始成正覚):修行を通じて本覚を顕現させるプロセス。
  • 仏教の教えでは、本覚と始覚が統合されることで、悟りの完全性が示されます。『法華経』では、これを開三顕一の教えで説明しています。

(2) 方便と真実

  • 始成正覚は、衆生を導くための「方便」としての側面を持ちます。
  • 久遠実成は、それを支える「真実」としての悟りを示します。

4. 天台・日蓮仏法における理解

天台智顗や日蓮は、『法華経』の「本門寿量品」に基づき、久遠実成と始成正覚の意義をさらに深く展開しています。

(1) 天台智顗の解釈

  • 天台は、久遠実成を「仏が永遠に悟りの境地にある」とする真理として捉え、始成正覚を衆生を導くための方便として位置づけました。
  • 両者は一体であり、修行を通じて仏の久遠性が顕現すると説きます。

(2) 日蓮の解釈

  • 日蓮は、久遠実成を「南無妙法蓮華経」と結びつけ、仏の悟りそのものが法華経に顕現していると解釈しました。
  • 始成正覚は、衆生がこの法に目覚め、仏道を歩むプロセスとして理解されます。

5. 結論

  • 久遠実成:釈迦牟尼仏が五百塵点劫という無限の過去から悟りを得ている永遠の仏性を示し、本覚に対応します。
  • 始成正覚:釈迦牟尼仏が今世で初めて成仏した時間的な側面を示し、始覚に対応します。

これら二つの悟りの側面は、『法華経』を通じて統合的に理解され、仏の永遠性と具体的な救済の働きを同時に示すものとされています。

法介さん、これでいかがでしょうか?また掘り下げたい点があればぜひ教えてください!😊

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