~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

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法介 2025/01/26 (日) 07:10:34

まず、「仏教に詳しい方に話す場合」から

日蓮さんは、『総勘文抄』の中で

天台智顗の釈を用いて次のような説明をされております。

「三世の諸仏は此れを一大事の因縁と思食して世間に出現し給えり。 一とは中道なり法華なり、大とは空諦なり華厳なり、事とは仮諦なり阿含・方等・般若なり、已上一代の総の三諦なり。 之を悟り知る時仏果を成ずるが故に出世の本懐成仏の直道なり。 因とは一切衆生の身中に総の三諦有つて常住不変なり。 此れを総じて因と云うなり。 縁とは三因仏性は有りと雖も善知識の縁に値わざれば悟らず知らず顕れず。 善知識の縁に値えば必ず顕るるが故に縁と云うなり、然るに今此の一と大と事と因と縁との五事和合して値い難き善知識の縁に値いて五仏性を顕さんこと何の滞りか有らんや」

〝五仏性〟という言葉が出て来ておりますが、五仏性の内容は次の通りです。

 「正因仏性」--- 衆生が本来そなえている本有の仏性
 「了因仏性」--- 本有の仏性を照らしあらわす智慧のこと
 「縁因仏性」--- 智慧を起こす縁となる行法のこと
 「果性」 ------ 菩提の果
 「果果性」------ 涅槃の果のこと

このうち「正因仏性・了因仏性・縁因仏性」の三つの仏性をまとめて三因仏性と言います。

正因は本有として元から備わっているものの了因の「智慧」と縁因の「縁」がないとその正因も顕れません。それを日蓮聖人は「善知識の縁に値わざれば悟らず知らず顕れず」という言葉で言い現わしておられます。

「因」である三因仏性に対し、「果性」と「果果性」は因を元とした果報にあたります。三因によって得られる果徳です。

仏道を実践していくことで様々な覚りを得ていき、如何なる状況にあっても常に誤りのない判断をもって正しい道を歩んでいける様になります。それが「菩提の果」です。--- 果性

そして正しい道を生きて行く事で最終的に執着から離れた臨終を迎えて六道から離れた「涅槃の果」を得て天上界へ転生します。--- 果果性

智顗は『法華玄義』巻五の中で、

 明円教三法者、以真性軌為乗体、
 不偽名真、不改名性、即正因常住。…… 観照者、
 只点真性寂而常照、便是観照、即是第一義空。
 資成者、只点真性法界含蔵諸行、無量衆具、即如来蔵。

と述べ、真性軌が法性中道第一義諦、観照軌が空諦第一義空、資成軌が仮諦如来蔵であるとしていわゆる「三法」・「三軌」が空・仮・中の三諦であると説いております。

また、次の文から三諦は円融互具であり、三法三軌が円融互具であることから、三果仏性(三徳)も、当然円融互具となります。

 一仏乗即具三法、亦名第一義諦、亦名第一義空、亦名如来蔵。
 此三不定三、三而論一。一不定一、一而論三。不可思議、不並不別。

ここでいう三軌とは、

 前明諸諦、若開若合、若粗若妙等、已是真性軌相也。前明諸智、若開若合、
 若粗若妙、是観照軌相也。前明諸行、若開若合、若粗若妙、已是資成軌相也。

「真性軌」が実相諦理、「観照軌」が般若観智、「資成軌」が功徳善行を指し、三因仏性と三軌が、

 真性軌即是正因性、観照軌即是了因性、資成軌即是縁因性。

となって、法身・般若・解脱の三徳と三軌もこのような関係になると智顗は説明されております。

 真性軌得顕名為法身、観照得顕名為般若、資成得顕名為解脱。

智顗のそういった解釈をふまえて日蓮大聖人は『一念三千法門』の中で次のように三諦について述べられております。

第一に是相如と相性体力以下の十を如と云ふ如と云うは空の義なるが故に十法界・皆空諦なり是を読み観ずる時は我が身即・報身如来なり八万四千又は般若とも申す、第二に如是相・是れ我が身の色形顕れたる相なり是れ皆仮なり相性体力以下の十なれば十法界・皆仮諦と申して仮の義なり是を読み観ずる時は我が身即・応身如来なり又は解脱とも申す、第三に相如是と云うは中道と申して仏の法身の形なり是を読み観ずる時は我が身即法身如来なり又は中道とも法性とも涅槃とも寂滅とも申す、此の三を法報応の三身とも空仮中の三諦とも法身・般若・解脱の三徳とも申す此の三身如来全く外になし我が身即三徳究竟の体にて三身即一身の本覚の仏なり、是をしるを如来とも聖人とも悟とも云う知らざるを凡夫とも衆生とも迷とも申す。

この御文から、三種・三観、三三九諦の相が読み取れます。

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