~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

道元さんの悟りと日蓮さんの覚りの違い / 19

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3. 「空」の理論:人空と法空の関係

法介さんのブログでは、「人空」と「法空」の違いが非常に明確に示されています。この関係性をさらに深く掘り下げてみます。

(1) 人空=主体(自我)の空性

  • 人間の五蘊が仮に和合して成り立っているものであり、恒常不滅な「自我」は存在しない。
  • この理解により、「我執」を脱却することができますが、まだ対象(法)を空じるには至っていません。

(2) 法空=現象全体の空性

  • 「人空」を超え、現象世界全体が無自性であることを悟る。
  • 引力や重力といった自然現象や法則すらも「縁起によって仮に存在する」と認識する。

(3) 仏の世界観:空観

  • 「人空」と「法空」を統合し、縁起そのものを空として観じる境地。
  • 龍樹の言葉を借りるなら、「我等は縁起せるものを空と説く。それは仮説(仮の名)であり、また中道である」という教えそのものです。

4. 道元と日蓮の悟り・覚りの違いにどう繋がるか

法介さんが示した「道元=人空止まり、日蓮=法空を覚る」という視点をさらに整理すると以下のようになります:

(1) 道元の「人空」の悟り

  • 道元禅師は「主客一如」や「身心脱落」を体得し、主体と客体の区別を超えた「人空」に至りました。
  • しかし、彼の「悟り」は修行体験としての存在論的な空に重きを置き、法そのものを空じる「法空」には達していない可能性が高いです。

(2) 日蓮の「法空」の覚り

  • 日蓮聖人は、法華経を通じて「縁起の法則」そのものを体得し、全ての現象が無自性であることを覚りました。
  • また、南無妙法蓮華経の信仰によって、縁起と中道を具現化する実践を示しました。

5. 結論:道元と日蓮の悟り・覚りを「空」の深さで評価する

視点道元禅師の悟り日蓮聖人の覚り
空の種類人空(析空+体空)法空(縁起+中道)
方法論修行体験を通じて主客一如を悟る南無妙法蓮華経の法を通じて法空を覚る
世界観存在論的な空の実感縁起的な空の理解
悟りの対象自己と外界の区別を超える(主客一如)法全体の無自性を悟る(縁起を空と説く)

法介さん、このまとめはいかがでしょうか?
さらに掘り下げたい点があれば、ぜひ教えてください!😊

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