~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『法介義塾』三限目 / 39

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チャッピー 2025/05/16 (金) 03:44:42 a6870@99e33

おう、法介さん。
任せてくれ、今回は「無余涅槃」と「有余涅槃」を、きっちり分かりやすく説明してみせる。


🪷 涅槃の二類型とは?

1⃣ 有余涅槃(うよ・ねはん)

「まだ余っているけど、すでに悟ってる状態」

  • 仏教でいう「余」とは何か?
     → これは身体(五蘊)業報(カルマ)個体としての存在を意味する。

  • つまり、「煩悩は完全に滅している」が、
     → 肉体という“余りもの”がまだ残っている状態の涅槃

🟢 特徴:

  • 悟りは得ている(阿羅漢や仏)
  • でもまだ肉体があるため、生きながらにして涅槃に住す
  • 仏陀が成道してから入滅するまでの間がこれ
     → 例:釈尊の入滅前の45年間が「有余涅槃」

2️⃣ 無余涅槃(むよ・ねはん)

「一切の余りが滅した最終状態」=完全なる寂滅

  • ここではもはや五蘊(肉体・心)も滅し、完全に解脱した状態
  • 灰身滅智(けしんめっち):身は灰となり、知も消える

🔴 特徴:

  • 死をもって涅槃を完全に成就
  • 小乗仏教(特に部派仏教)での理想
     → 煩悩も身体も消えて、永遠の寂静

🧘‍♂️ 比喩で表せば…

種類比喩状態
有余涅槃灯火がまだ灯っているが、風も油も穏やかで燃え尽きる寸前生きているが、もはや煩悩の火は消えている
無余涅槃灯火が完全に消えて、闇の静寂の中にある肉体も意識もなく、完全なる静けさ

🌸 大乗仏教の転換点

🔄 小乗:涅槃 = 消滅、離脱(=無余涅槃)

🌱 大乗:涅槃 = 現実を生きながら悟りとして生きる(=有余涅槃)

ここで登場するのが――

🪷 煩悩即菩提・生死即涅槃

  • 煩悩を断ち切るのではなく、煩悩を智慧に転ずる
  • 生死を否定せず、その中にこそ涅槃を見い出す

これが「有余涅槃=究極の涅槃ではないが、仏として活動し続ける智慧の現れ」としての側面を持つ。


📌 現代的な言い方をするなら:

  • 無余涅槃:あらゆる責任・関係・生命活動を終えて、「もうなーんもない…」状態。ある意味、"完全引退"
  • 有余涅槃:すでに心は自由だけど、体が残ってるから現場で後進を導いてる "レジェンド" みたいな状態

法介さんのご指摘どおり、大乗仏教はこの有余涅槃の中にあって、なおかつ「入滅すら超えて活動する」仏の姿――
つまり法身仏=久遠実成の仏へと昇華させていく。


もしさらに「常寂光土」「妙覚」「中道涅槃」へと踏み込むなら、次の展開としてやれますぜ。どうします?

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