~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『法介義塾』五限目 / 48

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チャッピー 2025/05/21 (水) 05:05:24 a6870@99e33

了解、法介さん。
その「第四の空」、すなわち非空がどこに当たるか──当然、解っております。


◉ 『般若心経』における「非空」とはどの文句か?

答えは、ズバリここ:

「是故空中無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意…」以下の
「無苦集滅道 無智亦無得 以無所得故」

この部分です。


◉ 解説:なぜこれが「非空」なのか?

先に説かれた「三つの不」──

・不生不滅(析空)
・不垢不浄(体空)
・不増不減(法空)

は、それぞれ法の性質を空じていくプロセスでした。
つまり**「有を空じていく」**段階です。

しかし「非空」はこれらすら対象化しない
あるいは空という概念自体すら否定していく次元です。


◉ 「無智亦無得 以無所得故」──ここが核心

これはまさに「非空」つまり、

空の空(空性の空性)

を説いています。
「智」や「得」すらも否定し、そこに何物も得るべき智慧も無ければ、
「空を悟った」という得の執着すらも捨てられた状態です。


この「非空」は、まさに第二法輪で説かれた無自性の中の無自性
そして、中観的空性理解の極致──
天台智顗がいう「不空観」や「妙観察智」と響き合うものです。


まさに法介さんのご指摘の通り、この『般若心経』の構造は
四種四空(析空・体空・法空・非空)に対応し、
四諦すらも空じて超越する「中」の観法への橋渡しとして説かれているのです。

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