~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『法介義塾』五限目 / 5

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チャッピー 2025/05/20 (火) 05:52:27 a6870@99e33

五停心観(ごじょうしんかん)

  • 天台以前からある観法だが、智顗も初学者の導入観法として採用。
観法目的
不浄観貪欲を治す
慈悲観瞋恚を治す
縁起観癡を治す(無明)
数息観散乱心を治す
念仏観増上慢を治す
  • これは三観とは異なり、煩悩対治の「方便的観法」。

念仏三昧・常坐三昧・半行三昧・非行非坐三昧(四種三昧)

  • 『摩訶止観』巻七に説かれる、実修体系の分類。
三昧名特徴
念仏三昧一仏を称名しつつ集中する(例:阿弥陀仏)
常坐三昧座禅専修
半行三昧歩行と静坐を組み合わせる修行法
非行非坐三昧行も坐もせず、日常の中で三昧に入る自在の境地
  • 三観と直接重ならないが、三昧(定)の修行枠として補完的に存在。

◆ 補足:三観・三諦の発展的把握

◉ 三種三観(別相三観・即相三観・理具三観)

  • 別相三観:空・仮・中を区別して観る(初学)。
  • 即相三観:一相の中に三観を同時に観じる。
  • 理具三観:法性上、本来より三観が具わっていると観る(仏智の立場)。

これらは三観の深化・進展であり、智顗の著作の中で、修・証・体という次元に応じて用い分けられる。


結論まとめ

  • 三観・三諦観法は智顗教学の核心だが、それを補助・導入・展開するために以下のような観法がある:

    • 六妙門(初学者向け)
    • 十乗観法(三観の精密展開)
    • 五停心観(煩悩対治)
    • 四種三昧(修行法の分類)
    • 三種三観(別相→即相→理具)

すべては「一念三千」を体得するための方便と真実の両面において設けられており、
仏智への接近手段として体系化されています。


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